整備の重要性を訴求 道路整備求め7項目を決議 安全・安心の道づくりを求める栃木県民大会
[2022/10/25 栃木版]
道路整備促進期成同盟会県協議会(会長・古口達也茂木町長)と県土整備事業協議会道路部会(部会長・坂村哲也下野市長)は24日、県総合文化センターで2022年度「安全・安心の道づくりを求める県民大会」を開催した。県や各市町、県内の各産業・経済団体のほか、地域自治会・PTA等の道路利用者など約320人が大会に参加。災害対策、道路の老朽化対策や安全対策、スマートICや地域高規格道路の整備、通学路等の交通安全対策の強化など、地方が真に求める道路整備が進められるよう、支援や財源確保などを要望する決議を採択した。決議は本県の道路整備の重要性を訴求し、7項目を決議した。
冒頭、主催者を代表して佐藤栄一副会長(宇都宮市長)は「県民の日常生活や社会経済活動を支えるためには、道路等の社会資本整備が不可欠。しかし道路の整備状況はまだ十分ではなく、道路整備の必要性を広く周知し、県民が真に必要な道路整備の推進を図るためにも、道路財源の確保等を強く国に強く求めていきたい」とあいさつした。
来賓の福田富一知事は「道路は地域の安心安全、快適なくらしや地域経済の成長を支える欠くことができない重要な社会基盤。しかし自然災害リスクの対応、通学路の安全対策、トンネル・橋梁の老朽化対策など課題が山積している。災害時の緊急対応強化を含め、県は道路整備を着実に進めていく。そのためにも県民の皆さまが理解を深め、その声を国へしっかりと伝えていく事が重要だ」とし、関係各機関への協力を呼び掛けた。
県議会からは、山形修治県議会議長が「道路は生活に必要不可欠な生命線である。広域道路ネットワークの機能強化や、防災、老朽化対策などへ向けて、関係各機関が連携し、県民と一緒に道路の重要性の理解を深め、地方の実情を的確に国へ伝える事が大切だ」と道路整備の重要性を説いた。
五十嵐清衆議院議員は「防衛費の増額との兼ね合いの中で、公共事業費の予算をどのように確保していくか、国土強靭化へ向けた5か年加速化対策に必要な予算を確保した後も、道路整備予算を別枠で確保していくように働きかけていきたい」とあいさつし、道路整備の重要性を力説した。藤岡隆雄衆議院議員は「千葉県八街市の事故を機に、通学路の安全確保の気運が高まっており、予算確保のため訴えている」とあいさつした。
県民大会では、国土交通省関東地方整備局松本健道路部長が道路行政をめぐる最近の話題をテーマに▽公共事業予算▽関東の道路ネットワーク▽メンテナンス▽災害対応▽様々な道路施策-といった内容で講演した。また意見発表として、道の駅ましこの山﨑祥子マネージャーと交通安全母の会連合会寺山厚子会長が意見を述べた。
最後に議事を開き、大会決議の採択を満場一致で行った。
決 議
道路は、県民の安全・安心な暮らしや、持続的な地域経済の成長を支えるとともに、災害時には県民の命を守るライフラインとして機能するなど、県民生活とって重要な社会基盤です。
近年、頻発化、激甚化が懸念される自然災害リスクから県民の命を守るため、災害に強い道路ネットワークの更なる構築が求められており、これらの道路整備は、県民の切実な願いであります。これらのことから、誰もが、いつでも・どこでも、安心・安全・快適に移動できる持続可能な社会の実現のための道づくりが必要であり、次の事項について強く要望します。
一、防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策に必要な予算・財源を例年以上の規模で確保し、計画的に事業を推進するとともに、5か年加速化対策後も予算・財源を別枠で確保し継続的に取り組むこと。
一、スマートICや高規格道路の整備を促進するとともに、重要物流道路の更なる指定など、広域道路ネットワークの充実・強化を図ること。
一、長寿命化修繕計画に基づく予防保全型メンテナンスを持続的に実施するために必要な財政措置の充実を図ること。
一、子供達の安全・安心を守るための通学路等の交通安全対策の強化を推進するとともに、無電柱化及び自転車利用環境の整備に積極的に取り組むこと。
一、観光等の経済活動復興のための道路交通ネットワークの充実、地域の拠点となる「道の駅」の整備・機能強化などについて、積極的に取り組むこと。
一、頻発化する大規模自然災害の脅威・危機に即応するための地方整備局等の体制の充実・強化を図ること。
一、資材価格が高騰する中でも、地方が求める道路整備・管理が長期安定的に進められるよう、新たな財源を創設するとともに、令和5年度道路関係予算は、所要額を確保すること。また、地域経済を支えるため、公共事業を含む補正予算を速やかに編成し、成立させること。
令和四年十月二十四日
安全・安心の道づくりを求める県民大会