吉田川に9.3億円 7月豪雨/災害復旧事業が採択(東北整備局)
[2022/10/21 宮城版]
東北地方整備局は20日、7月豪雨災害で被害を受けた吉田川の災害復旧事業が採択されたことを発表した。復旧箇所は浅井地区(東松島市)の延長228mと、二子屋地区(松島町~大崎市)の延長395mで、事業費が計9億3600万円。復旧工事では主に法覆護岸工などを実施する。北上川下流河川事務所が年度内に工事発注する。
7月14日から16日かけて降り続いた大雨では、県北を中心に大きな被害をもたらした。東松島市川下の浅井地区では、延長124m区間と延長104m区間の背割堤護岸が損傷する被害を受けた。
災害復旧事業では、鳴瀬川と吉田川を分離する背割堤の低水護岸の復旧費として、2カ所を合わせ約5億3900万円が配分された。復旧工法は法覆護岸工と根固め工を施工する。
松島町竹谷小川添から大崎市鹿島台木間塚鎌巻までに至る二子屋地区では、堤防の7カ所で漏水が発生した。
災害復旧事業では、延長395m区間に約3億9700万円の事業費が認められた。復旧工法は法覆護岸工とドレーン工を予定。法覆護岸工で河川から堤内に水が入ってくるのを食い止めるとともに、ドレーン工で土がもっていかれずに水だけ抜けるようにする。
被災箇所の災害復旧に向けては、災害協定を結ぶ建設コンサルタンツ協会東北支部の会員企業に設計をまとめてもらった。応急復旧は維持管理業者がシート張りや月の輪工法などで対応した。
なお、7月豪雨では大崎市古川で72時間雨量が307mm、24時間雨量が239mmに達し、ともに観測史上1位を記録。記録的短時間大雨情報によると、東松島市で7月15日午後10時50分に約100mm、松島町で同日午後11時30分に約100mmを記録した。