地盤改良工が増加 真岡宇都宮BP 立体は上下線分離で (栃木県道路建設課)
[2022/10/13 栃木版]
県道路整備課は整備中の国道408号真岡宇都宮バイパスで、事業費を38億円追加して243億円とするほか、事業期間を2年間延伸して26年度の完成を目指す。同バイパスでは現在、残る清原工業団地交差点の立体化工事を進めており、設計・施工マニュアルの改訂に伴い補強土壁の改良率を78.5%に変更。また交通切り回し方法を現用地幅内に変更した結果、立体の上下線を一括施工から分離施工に変更することとなり、補強土壁工や地盤改良工が追加されるほか施工工程も延伸する。
国道408号真岡宇都宮バイパスは、常磐自動車道谷和原ICを起点に宇都宮東部地域を経由し、東北自動車道矢板ICへ至る高規格道路「常総・宇都宮東部連絡道路」の一部を構成する。事業区間は真岡市下籠谷から宇都宮市氷室町までの延長5200mで、4車線と両側に副道を設け、計画幅員は一般部が42m、立体部が39.5mとなっている。
2003年度に事業化し、20年3月には国道123号と交差する清原工業団地交差点を除いて全線が完成4車線で供用した。事業進捗状況は、用地補償が11年度までに完了しているため100%、工事が78%で、現在は残る同交差点の立体化工事を実施中。幅員を拡げて交通を東西に振ったあと、本格的に橋梁の下部工や上部工を進めていく計画となっている。
同課は今回、公共事業評価委員会に事業費の増額と事業期間の延伸を諮った。事業費の増加は、設計・施工マニュアルの改訂に伴う地盤改良工の追加などで38億円を追加し、当初の205億円から243億円に変更する。増加分の内訳は、地盤改良工の内容変更による増額が20億円、立体化工事の施工工程見直しに伴う増額が5億円、労務資材単価の高騰、諸経費の増加などに伴う増額が13億円となる。
地盤改良工の内容変更は、立体化に伴う前後区間の盛土工事の設計・施工マニュアル改訂に伴うもの。東日本大震災を契機として、14年には「補強土(テールアルメ)設計・施工マニュアル」が改訂され、立体を構成する補強土壁の安全基準が以前より安全性を確保する基準に変更されており、支持力に対する安全率が大きくなった。この基準に基づき、施工前に補強土壁の設計および地盤改良体の強度を見直した結果、改良率が当初の35%から78.5%に増加したため、これに伴い事業費を増額する。
立体化工事の施工工程見直しは、交通切り回し方法の変更に伴う補強土壁工などの増加によるもの。当初は現道交通を阻害することがないよう、外側(民地側)に仮設道路を施工して、一般交通を仮設道路に切り回しながら立体の上下線を一体的に施工する計画としていた。
しかし、この民地を借地することに協力が得られない状況となったため、民地への影響を最小限に抑えるよう改めて現用地幅内での施工を検討。立体を一括して施工するのではなく、上下線を分離して上り線(南進方向)を先行して施工し、その後、供用しながら下り線(北進方向)を施工する施工計画に見直した結果、補強土壁工および地盤改良工が約5億円増加する。
このほか、労務資材単価の上昇による増額が約7億円、諸経費率改定や週休2日補正、消費税などの上昇による増額が約6億円となっている。
事業期間の延伸は、交通切り回し方法の変更に伴う立体の施工工程増加により、事業期間を見直して24年度までから26年度まで2年間延伸する。
事業費増額の一方、コスト縮減方策として橋梁の床版に耐久性が高く維持管理の省力化が図れる合成床版を採用するほか、上下線分離の際の交通切り回しに必要な土留工法を比較検討して有利な工法を採用する。さらに、再生骨材や再生アスファルト合材を積極的に活用し、建設発生土は公共工事間流用を推進していく。