年度内にも設計着手 宮田小学校の建て替え(市川市)
[2022/10/13 千葉版]
市川市は、老朽化した宮田小学校の建て替えに向け、建替え事業基本構想・基本計画をとりまとめた。学校環境基本計画にもとづき、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現と脱炭素社会に寄与する学校環境の整備を目指す。校舎配置は、1階に給食室や放課後子ども教室、2階に体育館を配置する校舎南側配置案を採用。2022年度に設計を始め、24年度に着工、学校を運営しながら、原則として仮設校舎をつくらないで校舎を建て替える。供用開始は27年度の見込み。
宮田小学校(新田4-8-15ほか)は、JR市川駅から徒歩3分に位置する。敷地面積は7414平方m。用途地域は近隣商業地域と第一種住居地域。建ぺい率と容積率は、近隣商業地域が80%と300%。第一種住居地域が60%と200%。
基本構想・基本計画の詳細をみると、学校整備コンセプトには▽日当たりや通風に配慮した快適な環境、自然に触れる機会の創出▽人をひきつけ交流を生む場の創出▽必要な機能を効率的に配置したうえで、宮田小学校らしさを創出──の3つを設定。
教室兼用や高層化により施設を最大限に活用するとともに、学校の歴史や地域の特有性を表すデザインを取り入れ、地域のシンボルとなる学校を計画する。
校舎配置は、校舎南側配置2案(5階建て)と校舎北側配置案(4階建て)の計3案を比較した結果、体育館を2階に配置する南側配置案が最良と結論。普通教室部分の通風や採光を考慮し、正門は敷地西側に設け、敷地東側の道路と飛地へのアクセスを考慮して通用門を設置する。
東側飛地には、一部学校を含む地域開放棟を整備する。
教室数は、35人収容の普通教室20室と、特別教室10室、日本語指導教室や会議室など学校教育施策に用いる教室7室のほか、管理関係室は10室以上を想定。
グラウンドと体育館は、可能な限り広い空間を確保。給食はHACCP(ハサップ)方式を取り入れ、自校方式で約600食程度を提供する。
プール施設は設置せず、民間または拠点校の施設を利用する。
エコパネル、風の流れの可視化など、脱炭素化された施設を体感し、生きた環境学習ができる学校づくりを進める。
ICT機器が利用しやすい大きさの机やタブレット保管庫など、教室内に必要な備品の配置を想定、多様な学習スタイルに対応する。
地域の課題に対処するため、付帯機能として、放課後保育クラブ(330平方m程度、収容児童172人)、放課後子ども教室(70平方m程度)、地域ふれあい館(180平方m程度)、防災倉庫(70平方m程度)を整備する。
整備にあたっては、民間活力の利用や民間企業の参画の方法を検討。施設の複合化など学校や地域の活性化につなげる。
宮田小学校は、教室棟が1959年に竣工するなど、市内で最初にできたRC造の校舎で、最も古いことから小学校の建て替え第1号として建て替えを計画。延床面積は5395平方m。児童数は427人(21年5月現在)。
なお、建て替え第2号となる第一中学校についても、学識経験者らで構成する新校舎推進会議を立ち上げており、今後、第1回目の会合を開き、基本構想・基本計画の検討に着手する方針だ。