都市公園は25年度 常総IC周辺整備で現地視察(常総市)

[2022/10/12 茨城版]
 常総市はこのほど、圏央道常総IC周辺整備として進めているアグリサイエンスバレー事業の現地視察会を開催した。視察会には国土交通省常陸河川国道事務所の日下部隆昭所長らが参加。神達岳志市長から事業概要や、道の駅の整備状況をはじめとする各施設の進捗状況などの説明を受けた。このうち、同事業エリア内で常総市が整備を担当するのは道の駅と都市公園となる。都市公園の整備については、25年度以降に着手する見通しだ。また、市ではアグリサイエンスバレー事業と関連し、アウトドアシティ構想や新工業団地の整備についても検討を進めているという。

 市では圏央道常総IC周辺地域の整備として、基幹産業である農業を活性化するまちづくりを目指し、アグリサイエンスバレー構想に基づき、整備・検討を進めてきた。この構想は生産事業から加工・流通・販売の各事業を連動し、地域として農業の6次産業化につなげる拠点整備するものとなる。

 同事業の整備は官民連携で実施し、総面積は約45ha。エリア内には道の駅や都市公園、民間集客施設、観光農園ゾーン、企業立地ゾーン、大規模施設園芸ゾーンを配置する。

 このうち、道の駅は約2haの敷地に整備していく。外観コンセプトは、田園風景になじむような水平ラインを基調としてデザインを採用。また、圏央道や国道294号から道の駅の賑わいが感じられるよう、道路側に大階段を配置している。基本・実施設計はAIS・須藤隆・景観設計JV、本体工事は株木建設・染谷工務店JVが担当。今後は22年度内に工事を完了させ、23年度春の開業を目指す。

 都市公園は1haの敷地に整備する。整備予定地は現在、圏央道4車線化工事のため、ネクスコ東日本に貸している状況にある。そのため、整備時期は4車線化完了後の25年4月から開始する見通し。都市公園では、屋外イベントなどの開催を予定しているが、園内の配置や導入する機能などについては、これから検討していく考えだ。

 民間集客施設には2haを確保し、TSUTAYAブックカフェと温浴施設を整備する。事業主体は戸田建設となる。現在はTSUTAYAの新築工事に着手している状況にあり、道の駅と同時期の完成を予定している。なお、温浴施設については、天然温泉を予定し、24年度春に開業する見込みだ。

 観光農園ゾーンには約3.8haの敷地でいちご狩りやサツマイモの収穫が体験できる施設や、カフェなどを整備していく。事業者は下妻市でいちご狩り農園などを運営する農業法人の大地。オープン時期は本年12月となっている。

 企業立地ゾーンには3社が進出。このうち、ムロオは4.1haの敷地に低温物流施設を整備した。本年4月から操業を開始している。また、グッドマンが8.8haの敷地でマルチテナント型物流施設を整備に着手した。竣工は23年夏ごろになる見通し。残る企業については現時点で公表していないが、約6.8haの敷地が契約済みとなり、24年度中の竣工を目指している。

 大規模施設園芸ゾーンでは2社が参入。このうち、ソフトバンク系列のたねまき常総は7.5haの敷地で国内最大級のミニトマト栽培施設を整備する。操業時期は本年度中の予定。もう1社については、3haの敷地で葉物野菜などの植物工場を行う。操業時期は25年4月を計画している。

 神達市長は集客目標を年間100万人に設定していると説明。このアグリサイエンスバレー事業により、常総市にこれまで存在しなかった大規模な観光拠点が誕生し、その効果が市内全域に波及することに期待を寄せた。このうち、アウトドア関連では、鬼怒川や小貝川、吉野公園、水海道あすなろの里などでのレジャーがさらに活性化する可能性を踏まえ、キャンプ場の拡張や車中泊施設の整備といったアウトドアシティ構想も広げていく考えを示した。

 また、企業誘致については、アグリサイエンスバレー事業内の企業立地ゾーンはすでに完売しているが、市内への企業誘致の相談がきていることから、新たな工業団地の整備の検討を進めている。現在は内部で建設場所などについて協議を行っている段階だという。

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