食肉センターを再編 新施設の候補地検討へ
[2022/10/7 千葉版]
県内5カ所の食肉センターについて、再編・統合の検討が本格化している。6月に各食肉センターが出資して設立した株式会社成田食肉流通センター(成田市)が中心となり、新たな食肉センターの建設に向け、候補地の調査を進めていることが分かった。食肉センターの統合を進めるとともに、運営主体の一元化を目指す。
食肉センターは、肉畜の生産から食肉、内臓など副生物の流通、加工、販売まで一貫した産地体制の形成に向け、主体的役割を担っている。
県内には▽千葉県食肉公社(旭市)▽横芝光町営東陽食肉センター(横芝光町)▽印旛食肉センター事業協同組合印旛食肉センター(成田市)▽東庄町食肉センター(東庄町)▽南総食肉センター(睦沢町)──の5カ所がある。
食肉センターの将来のあり方については、県と食肉センター、関係団体、関係市町で構成される「千葉県食肉流通協議会」で検討を重ねてきた。
その結果、再編整備に当たっては、食肉センターの統合を進めるとともに、運営主体の一元化を目指すことで合意。本年6月に各食肉センターの出資により、新規法人の成田食肉流通センターが設立された。
食肉センターの統合に向けて、この新規法人が中心となり、新たな食肉センターの建設候補地を検討している。地下水や排水の問題、関係法令との適合性などの調査を進めているという。
統合に時期については、処理頭数や加工処理の高度化、輸出への対応などについて検討を進め、用地確保のめどが立った段階で、許認可などの手続きや設計・工事に要する期間などを考慮して、決定する考えだ。
21年4月に策定した「千葉県食肉流通合理化計画書」では、食肉センターの整備目標や食肉センター再編千葉県モデルなどが盛り込まれている。
県内の肉畜生産は県北部が主産地となっているため、県北部に基幹となる食肉センターを配置し、そのほかの食肉センターが補完する形に再編する方向性が示されている。
「食肉センター再編千葉県モデル」を長期的目標として掲げ、県内を一つの区域とした食肉流通の合理化を推進していく。
千葉県モデルをみると、運営主体は、県内複数施設を一元管理することにより、計画的な施設配置や施設整備を実施する。
機能面では▽と畜から部分肉処理、需要者のニーズに応じた高度な加工肉までの一貫処理体制整備の一層の推進▽食の安全・安心に配慮し、全施設でHACCPに基づく衛生管理の徹底▽販路の一つとして、食肉の輸出検討▽施設には見学者用通路を設置するなど、生産現場と消費者との交流を図り、相互理解を醸成するための環境整備──を挙げている。
1日当たりのと畜能力(豚換算)は、千葉県食肉公社が2330頭、横芝光町営東陽食肉センターが970頭、印旛食肉センター事業協同組合印旛食肉センターが900頭、東庄町食肉センターが500頭、南総食肉センターが390頭となっている。