基本構想案を示す 道の駅検討委 候補地は飯田押敷交差点(那珂市)

[2022/10/6 茨城版]
 那珂市はこのほど、市役所本庁舎2階で第3回「複合型交流拠点施設道の駅整備検討委員会(委員長・川島佑介茨城大学人文社会科学部準教授)」を開催した。協議内容は、整備・管理運営手法と導入機能、基本構想案、需要予測の4項目について検討した。このうち、基本構想案では候補地を飯田押敷交差点北西側とした。あわせて、今後の整備スケジュールも明らかにし、26-27年度の2カ年で建設工事を行い、28年度の供用開始を見込んでいる。第4回委員会は11月に開催する予定で、導入機能と施設規模の設定、施設の概略設計、可能性調査などの検討を行う予定だ。

 この委員会は、有識者や市民団体などの代表者ら15人で構成。オブザーバーとして国や県の担当者と市の担当者らが参加している。

 冒頭あいさつした川島委員長は、「本日はこれまでの協議内容を取りまとめた基本構想案や基本計画の検討に加えて、具体的な導入機能などについて積極的に意見を出し合っていただきたい」と話した。

 今回の協議内容のうち、道の駅の整備・管理運営手法では、整備主体、管理運営主体、事業手法について話し合った。整備にあたっては、民間事業者の有するノウハウを効果的に活用することを想定し、民間事業者や地元の生産者が運営に参画する手法も視野に入れ、幅広く整備・運営手法の検討を行う。整備主体は「一体型」と「単独型」の2種類のうち、整備予定地が県道那珂インター線に面していることから、県との「一体型」を想定して県や関係機関との調整を図っていく。管理運営主体は、第三セクターや民間事業者による指定管理者制度を視野に入れて検討する。整備・運営手法は、従来の公設公営のほか、公設民営(設計+建設+指定管理、DB方式+指定管理、DBO方式)、民設民営(PFI方式)などの手法が想定されるが、今後、サウンディング調査などを実施して最適な手法を選択する予定だ。

 導入機能では、道の駅の基本機能である「休憩機能」と「情報発信機能」、「地域連携機能」を兼ね備えた施設の形成を図るほか、地域外から活力を呼ぶ「ゲートウェイ型」と地域の元気を創る「地域センター型」としての機能を持たせる。地域連携機能では、▽「食」でつながる機能▽「暮らし」でつながる機能▽「体験」でつながる機能▽「子育て」でつながる機能▽「デジタル」でつながる機能──の5項目で具体化を図った。また、那珂IC近接の立地を活かして、交通結節機能と防災拠点機能の導入を示した。

 基本構想案では、4カ所の候補地のなかから飯田押敷交差点北西側としたほか、事業スケジュールなどを示している。飯田押敷交差点北西側は、那珂インター線と菅谷飯田線に面しており、那珂ICからのアクセス性が良く、平坦で整形な敷地が確保できることが評価された。また、予定地は市街化調整区域で農業振興地域用地区域、宅地1戸が含まれる可能性がある。事業のスケジュールでは、23-24年度に基本設計、25年度に実施設計を策定し、26-27年度で本体建設工事と外構工事を行って、28年度の供用開始を目指している。

 基本構想案の策定は、建設技術研究所茨城事務所(つくば市)が担当している。今回の検討委員会で基本構想はある程度まとまったことになり、今後は基本計画の策定に着手する。第4回からの検討会委員会で内容を協議していき、23年3月22日までに計画を策定する予定だ。

 なお、今回の検討会では委員からは、「那珂市独自の商品で、他の道の駅との差別化を図ることが大事」や「立ち止まるだけではなく滞在する施設とするために、水族館や足湯などを設けては」、「雨の日のこどもの遊び場としても屋根付きイベントスペースをぜひ設置してほしい」などの意見が出された。

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