来年度に基本構想 新公会堂整備 検討報告書まとまる(古河市)

[2022/10/5 茨城版]
 古河市はこのほど、コンベンション機能を備えた「古河市新公会堂(仮称)」の整備に向けた検討報告書をまとめた。これは新公会堂整備に関する基本的な考え方を整理したもので、今後の指針とする。報告書によると、候補地には「古河駅周辺から古河駅東部周辺エリア」と「諸川周辺エリア」の2エリアを選定。23年度には基本構想に着手する予定で、30年度ごろの開館を目指して事業を進めていく考えだ。

 市では21年度に「市文化施設整備検討委員会」を設置し、新公会堂の整備に向けた検討を行ってきた。市内には公民館や地域交流センターなどが合計13施設あり、日常的な文化芸術活動の拠点として利用されている状況にある。ただし、市民からは「拠点となる総合的な文化施設」へのニーズも寄せられているため、市ではこのほど、整備に向けて本格的に検討作業へ入ることになった。

 新公会堂のコンセプトには、「だれもが気軽に文化芸術を体感し、表現できる空間と、次世代への機会の創出」を掲げる。基本的な役割には、▽文化芸術の拠点▽新たなコミュニティの形成▽次世代の育成▽まちづくりの推進──を盛り込んだ。

 公会堂のあり方については、市民の文化芸術活動と交流の拠点機能をメインとしながらも、県西地域の中心的都市の運営に欠かせないコンベンション機能などを備えた施設とすることに設定。市のランドマークになるような施設で市民が誇りと愛着を持ち、市外の人も訪れたくなる文化芸術の拠点施設として整備していく。

 建設候補地は、市内全域の6つのエリアを抽出して検討を実施。その結果、都市機能誘導区域(古河駅周辺、古河駅東部、諸川周辺)の位置付けなどを考慮し、「古河駅周辺から古河駅東部周辺エリア」と「諸川周辺エリア」の2つのエリアを候補地とした。

 今後は、基本構想や基本計画のなかでコンセプトや様々な要件の整理に取り組んでいく。特に基本構想の策定にあたっては、検討委員会を設置するとともに、市民へのアンケート調査などを行うほか、ワークショップなどを開催して広く市民からの意見を聴取し、反映していく考えだ。

 また、建設候補地の絞り込みや、事業費と財源、管理運営などの検討を行う。あわせて、災害時にも対応できる拠点施設の形成を図り、市民の安心と安全を確保する施設としていく。

 本年度には基本構想の策定に向けて調査・計画の準備作業を行う。その後、23-24年度で基本構想に取り組み、24-25年度に基本計画、26-27年度に基本・実施設計を策定する。建設工事については、28-30年度の3カ年で実施し、30年度中の開館を見込む。

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