来年度から農地設計 東松島の上下堤・川下地区 122haを区画整理(宮城県東部地方振興)
[2022/9/30 宮城版]
県東部地方振興事務所は、東松島市の上下堤・川下(じょうげつつみ・かわくだり)地区でほ場整備を計画しており、来年度から区画整理の詳細設計にとりかかる意向だ。事業期間は2022~30年度の9年間を予定しているが、予算の配分次第では変更になる可能性がある。総事業費は23億1300万円を試算している。
同地区は全体面積が122.3haで、うち受益面積が101ha。三陸自動車道の鳴瀬奥松島インターチェンジより500~600mほど松島町寄りで、国道45号の南側に位置している。現況の水田は30a未満の小区画で、道路が幅員2m程度と狭く、用排水路も土水路のため、効率的な営農に支障をきたしている。
ほ場整備では1区画当たり1haを基準に大区画化する。道路は幅員5mに拡幅し、用水路はパイプライン、排水路は排水フリュームで整備し直す。揚水機場は上下堤地区で既存の2カ所を改修するとともに、川下地区で新たに1カ所を整備する。
主な工種ごとに事業費の内訳を見ると、整地工が101haで4億9700万円、用水路が延長8.3kmで揚水機場と合わせて3億2800万円、排水路が延長6.6kmで3億6300万円、暗渠排水が101haで2億4400万円。事業費の残りは測量設計費や集積関係の費用など。
区画整理に向けた基本設計業務はサトー技建(仙台市若林区)に委託した。本年度は換地業務を土地改良区に任せる。区画整理は上下堤工区の84haと、川下工区の17haに分けて進める予定。事業計画は東松島市役所で10月12日まで縦覧している。
なお、同地区は豪雨時に付近の堤川から越水し、たびたび冠水被害が発生しており、東松島市は県に排水対策を要望している。県管理の堤川から国土交通省管理の吉田川へ流水することから、地区内にある若針排水機場の機能強化などについて、同省や農林水産省と連携して国直轄事業で実現するよう働きかけを求めている。