総合評価を本格導入 低入調査制度も制定 10月1日から適用へ(宮城県 角田市)

[2022/9/23 宮城版]
 角田市はこれまで試行となっていた総合評価(簡易特別型)を10月1日から本格導入する。ダンピング対策として国や県、他自治体の動向に合わせて評価項目などを全面的に見直したほか、併せて低入札価格調査制度を導入する。総合評価は原則、設計金額5000万円以上の建設工事に適用する方針。22日に各要綱を市のホームページに公表した。

 総合評価は、2009年1月から試行という形で実施。今回、公共工事の一層の品質確保に向けて全面的に見直し、特別簡易型として本格運用を開始する。適用する工事は、一般競争入札(災害復旧工事を除く)のうち、設計金額が5000万円以上の案件で、市長が入札価格と施工能力・地域貢献などを総合的に評価することが妥当と認めた案件とする。

 総合評価の配点は「価格評価点80点」+「価格以外の評価点20点」の計100点満点。価格以外の評価は、企業評価の工事成績のほか、地域貢献などにウエイトを置いた項目となっている(※別表参照)。総合評価は10月1日以降に公告される工事から順次適用となるが、現段階では未定となっている。

 今回、総合評価の導入に合わせ、低入札価格調査制度を制定。調査基準価格、失格基準価格ともに最新の中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデルに準じた。調査基準は範囲を予定価格の75~92%とし、調査基準価格の算定式を「直接工事費の97%+共通仮設費の90%+現場管理費の90%+一般管理費等の68%」の合計とする。

 こちらも10月1日にから適用となり、対象の工事の入札公告に調査・失格基準価格が明記される。

 なお、最低制限価格制度の実施要綱も改めて明確化している。

■総合評価:価格以外の評価点と評価項目一覧
評価点の視点 評価項目 配点
技術力 企業の施工能力 過去の実績(過去5年間) 同種工事の経験実績あり 3
工事成績 過去5年間の県の工事成績点数の平均が80点以上 4
過去5年間の県の工事成績点数の平均が70点以上80点未満 2
過去5年間の県の工事成績点数の平均が70点未満または実績なし 0
配置する
技術者の能力
主任技術者が保有する資格 1級施工管理技士または監理技術者 2
2級施工管理技士 1
主任技術者の施工経験(過去5年間) 同種工事の施工経験の実績あり 3
地域
貢献
営業拠点の
所在地
角田市に本・支店、営業所の所在 角田市内に本店あり 2
角田市内に支店・営業所あり 1
災害協定等に
基づく活動実績
災害協定等の締結 災害協定等あり(県または角田市) 1
過去5年以内に災害対応への出動実績 出動(活動)実績あり(県または角田市) 1
角田市内の活動(過去1年間) 地域貢献活動の実績あり 2
社会性 建退共等への
導入状況
建設業退職金共済制度または退職一時金制度導入 導入済み 1
企業年金
制度導入状況
企業年金制度導入 導入済み 1
合計(最高点数) 20

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