予定価格は17億円 新斎場の建築工事などを公告(水戸市)
[2022/9/23 茨城版]
水戸市は21日、新斎場建設事業として、建築と電気設備、空調設備工事3件の一般競争・電子入札を公告した。予定価格は建築が17億5700万円、電気設備が2億3780万円、空調が2億5800万円となる。開札日は10月18日で、工期は510日間に設定した。入札参加申請は10月12日まで受け付ける(公告の概要は22日付公告欄に掲載)。新斎場関連では今回公告となった工事のほか、給排水と火葬炉、外構を予定する。このうち、給排水と火葬炉は近く発注する見通しだ。
市内斎場の課題は、24年には年間火葬可能件数が超過することや、堀町にある現斎場も築40年が経過し、長寿命化が必要なことなどが挙げられる。そこで、市は新たに新施設を建設し、2施設体制で事業に当たっていくことを決定した。
新斎場の建設場所は下入野町地内の敷地約3万平方m。施設の構造・規模は、新斎場(式場棟・火葬棟)がRC造一部S造2階建て、延べ3593平方m、キャノピー(式場棟・火葬棟)がS造平屋577平方m、ごみ置き場がRC造平屋9平方mとなる。設計・施工の概算事業費は33億2400万円に設定した。なお、基本・実施設計は桂・団設計JVが担当している。
整備コンセプトは「全てにやさしく、思いやりと安らぎを感じられる斎場を目指して」に設定した。これを基に基本方針にはユニバーサルデザインの導入や、景観・環境保全に配慮した緑地整備などを盛り込んだ。
新施設の内部には、火葬炉4炉や告別・収骨室3室、待合室5室、大式場(160人収容)、小式場(80人収容)、遺族控室2室、司祭控室2室、管理室、売店を配置する。駐車場では、普通車258台やおもいやり駐車場5台、マイクロバス5台分などを確保した。
配置計画によると、火葬および待合の機能を火葬棟、式場の機能を式場棟に集約し、建物をL字型に配置する。また、アクセス道路市道常澄8-3656号線の向かい側に建設した下入野健康増進センターからは、敷地内の様子が見えないよう、建物を道路に背を向ける形で整備していく。構造計画では、公共建築物としての長期的な使用を前提とし、大地震時の人命確保と地震後も継続的に使用できることを目標に掲げた。
公告となった工事のうち、建築工事の参加資格では、参加形態を4者JVに設定。代表構成員は水戸市内・茨城県内・茨城県外のいずれかに本店があり、かつ水戸市内に支店を有し、建築Aで年間平均完成工事高が予定価格以上であることなど。施工実績は、07年度以降に元請けとしてS造、RC造またはSRC造で延べ1000平方m以上の建物の建築一式工事を行ったことが求められる。構成員2と3、4には水戸市内に本店を有し、建築Aであることなどが参加資格となる。
入札参加申請は10月12日までとし、入札書の提出は13日から17日まで受け付ける。
今回公告となった建築と電気設備、空調の3件はいずれも議会案件となり、議会の承認を得た後に着工する。新斎場関連ではこのほか、電気設備と火葬炉設備、外構工事を予定している。このうち、電気設備については、近く一般競争入札で公告する見通し。火葬炉設備は、富士建設工業(新潟県新潟市)と随意契約を近く締結する予定となっている。
残る外構工事では、駐車場や植栽などの整備を予定。発注時期については、本体工事の進捗状況を踏まえて判断する考えだという。
今後は24年度前半までに工事を完了する。その後、施設内部の整備を行い、24年度中の供用開始を目指す。