市役所を耐用年数まで使用 2033年めどに建替検討(我孫子市)
[2022/9/22 千葉版]
我孫子市は、「我孫子市役所庁舎整備計画(個別施設計画)」(2021年1月策定、22年4月改訂)にもとづき、市役所本庁舎と議会棟を2048年まで使用、2033年ごろを目安に市役所の建て替えを検討することにしている。第3回定例会(9月議会)の一般質問で明らかにした。
「我孫子市役所庁舎整備計画」では、「構造躯体」「機能性」「財政面」の3つの観点から、既存庁舎の建物を評価し、長寿命化と建て替えを検証。具体的な長寿命化計画を定めるとともに、「新庁舎建設へ向けての準備」として財源の確保などをシミュレーションしている。
対象施設は、本庁舎など行政系施設8棟、延べ7560平方m。
内訳(延床面積)は、本庁舎(3200平方m)、議会棟(1117平方m)、東別館(794平方m)、西別館(1484平方m)、庁舎分館(443平方m)、議会棟第一委員会室(105平方m)、本庁舎更衣室(148平方m)、本庁舎分室(265平方m)。建築年度は1968年(築54年)~98年(同24年)。
構造躯体の評価にあたっては、日本建築学会が示す鉄筋コンクリート造の目標耐用年数(最大80年)までの使用を調査。主な庁舎(本庁舎と議会棟)は、建築後80年の48年まで耐えうるとの結果となった。
財政面については、目標耐用年数に設定した48年までの費用を概算。長寿命化が約14億5000万円(48年まで単年度約5000万円)。延床面積1万5160平方m規模の庁舎新築が、建設費約60億6000万を含む約101億1000万円(建て替え後80年間に単年度約1億2600万円)。48年までの単年度費用は、現庁舎を長寿命化しながら使用していく方が有利となった。
評価をふまえ、「既存庁舎を長寿命化して使用する」案が整備方針として妥当と判断できると結論。他市の事例を参考とすると、新庁舎建設構想から竣工までの期間は、おおむね10年程度かかると想定されることから、さらに十分な期間として15年程度の検討と建設期間を設定。耐用年数の終年の15年前である33年ごろを目安に検討を開始する方針を示している。
なお、建て替え候補地については、市議会一般質問で、今後の検討のなかで、適切な規模を設定したうえで選定したいとしている。
主な庁舎の構造は、本庁舎がRC造地下1階・地上2階建て。議会棟がRC造2階建て。