日本工営を特定 劣化要因 検討プロポ (釜房ダムの構造物)
[2022/6/17 宮城版]
国土交通省釜房ダム管理所は、ダム管理施設の調査検討業務について、簡易公募型プロポーザルで日本工営を受託候補者に特定した。今後に同社と見積もり合わせし、金額が折り合えば委託契約を結ぶ。この業務は、建設から50年以上が経過している釜房ダム本体の構造物について、劣化や変状の箇所を調べ、対策工を考えるために変状要因などを調査検討する。
川崎町にある釜房ダムは、洪水調節と農業・工業用水の確保を目的に建設が計画され、名取川改修計画の一部として建設準備が進められ、第二次世界大戦による中断を経て、1966年に工事を再開し、70年12月に竣工した。
型式は直線重力式コンクリートダムで、堤高が45.5m、堤頂長が177m、堤堆積が10万立方mの規模。川幅が狭い上に洪水量が比較的大きいため、余水吐として半管路オーバーラップ型式を採用している。
主な設備は、4m×4.1m×4門の共同取水設備、8m×8.9m×4門のクレストゲート、4.5m×4.4m×3門のコンジットゲート、放流バルブなどが設けられている。
今回委託する業務では、ダム本体のコンクリート構造物やゲート設備などについて、劣化や変状、周辺状況などを調べ、変状要因とメカニズムを分析した上で報告書を作成する。履行期間は2023年2月28日まで。調査結果を踏まえ、必要に応じて計画的に対策工事を進める考え。
プロポで技術提案を求めた評価テーマは、「ダム堤体下流の導流壁について、構造物の変状に影響する周辺環境条件の要因を特定するため、調査観測の手法および観測体制の整備を検討する際の留意点」などだった。