臨海部に南消防署の建替検討 工場災害にも対応(市川市)

[2022/9/17 千葉版]

 市川市は、南部地区消防防災施設整備事業の進捗について明らかにした。老朽化した南消防署の移転建て替えに向け、用地取得の準備を進めるとともに、事業の進め方を協議、事業内容について基本構想の作成を進めている。基本構想イメージによると、新しい南部地区防災拠点は、海に面した臨海地区に設置。人口密集地帯のほか、石油コンビナートや大規模倉庫・工場などでのの災害被害に、陸・海・空の3方向から支援にあたることを想定している。

 市では、行徳地区における消防力の充実強化を図るため、南消防署の建て替えにあたって、訓練施設や災害対策用自家給油所、ヘリポート、防災倉庫などの拠点機能や防災機能を有する「南部地区消防防災拠点施設」として整備することを計画している。

 行徳地区の南消防署は、1978年に建設。構造・規模はS造3階建て1332平方m。築43年が経過するなど老朽化。職員の増加に伴う狭隘化、訓練スペースの不足などが課題となっている。

 建設候補地は、現行法令などに合わせると、現在の場所に同規模の庁舎を建築することができないため移転、建て替える。

 構想によると、敷地面積は6500平方mを想定している。内訳は、庁舎建築面積1000平方m、訓練施設及び応援部隊集結地5300平方m、災害対策用自家給油所200平方m。

 南消防署の移転後は、現在の南消防署跡地に出張所を新設。現行の1署2出張所(南消防署・行徳出張所・広尾出張所)から1署3出張所体制とすることで、消防防災体制の更なる充実強化を図る。 

 庁舎内には、防災展示室や体験コーナーなどのスペースを設け、身近で地域住民に開かれた施設とする。また、1978年に竣工、老朽化している行徳出張所(延床面積390平方m)も、あわせて建て替える。

 同市の、南部地区以外の消防体制は、東部地区「東消防署・中山出張所・高谷出張所」、西部地区「西消防署・国府台出張所・大洲出張所」、北部地区「北消防署・曽谷出張所」で編成されている。

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