[2022/9/15　千葉版]
　成田国際空港(NAA、田村明比古代表取締役社長)は14日、「新しい成田空港」構想に着手する方針を明らかにした。新滑走路の整備など、さらなる機能強化を推進するとともに、旅客ターミナルの再構築や航空物流機能の集約、空港へのアクセス改善などに取り組んでいく考えだ。

　14日に開催した国土交通省、県、空港周辺9市町、NAAによる意見交換会で明らかにした。田村社長は、施設の多くが1970年代に整備され、老朽化が深刻な問題となっていることを説明し、「国際競争力を強化するため、新滑走路の整備などとともに、施設全体の機能を再構築する必要がある」と話した。

　NAAは10月にも検討会を立ち上げる。有識者や国交省、県、周辺市町から意見を出してもらい、検討を深めるとともに方向性を確認する。委員長は山内弘隆一橋大学名誉教授が就任する予定。年度内の中間とりまとめを目指す。

　構想のコンセプトをみると、国際競争力を強化するため、成田空港のさらなる機能強化を推進する。利便性や効率性を高めるため、旅客ターミナルを再構築し、脱炭素などにも配慮した「ワンターミナル」を目指す。

　航空物流機能を集約し、最新技術の導入により、自動化・省力化した新貨物地区を整備する。空港内のスムーズな道路アクセスを整備するとともに、都心や周辺地域との道路アクセスの向上を図っていく。

　熊谷俊人知事は、“第二の開港”ともいえる非常に重要なプロジェクトと述べ、構想の実現に向けて、国や周辺市町と連携しながら取り組んでいく考えを示した。