九十九里・南房総地域の水道事業統合 年内に施設整備計画案(千葉県)
[2022/9/14 千葉版]
九十九里地域・南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合協議会(会長・熊谷俊人知事)の第2回会合が13日、ウェブ方式で開かれた。協議事項の検討状況や今後のスケジュールなどの報告があり、12月末をめどに施設整備計画案を作成する方針が示された。
熊谷会長は「将来にわたり、県民に水を安定的に供給していくため、取り組んできたもの」と述べ、2023年度中に統合基本計画を策定し、2025年4月の統合を目指して、着実に進めていく考えを示した。
9月8日に第1回幹事会を開き、▽水需要予測▽施設整備計画▽財政収支計画▽水道用水供給料金▽資産管理▽組織体制・職員の身分──の6項目について、部会やワーキンググループでの検討状況を確認した。
このうち施設整備計画については、7月28日に第1回工務グループを開催し、検討すべき項目やスケジュールを確認。九十九里地域水道企業団と南房総広域水道企業団がもつ現行施設の整備計画や必要となる基礎資料の収集を進めている。12月末をめどに案を作成する方針だ。
統合基本計画については、12月の第3回会合で骨子案、23年3月の第4回会合で素案をそれぞれ提示する予定。両地域における水需要に対し、浄水場などの施設能力が適当かどうかなどが焦点となりそうだ。
「九十九里・南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合に向けた基本計画策定・認可申請書類作成支援業務」は日水コン(東京都新宿区)に委託した。公募型プロポーザル方式で選定し、業務委託料は1億0307万円(税込)。履行期間は2025年2月28日までとなっている。
本県は水源を確保することが不利な地域となっており、人口減少が見込まれる中、将来にわたり水を安定供給するため、水道事業体の経営健全化や技術の確保、施設の更新などの課題を解決する必要がある。
個々の水道事業体の経営努力では、これらの課題を解決することが難しいため、リーディングケースとして、九十九里地域と南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合に取り組んでいる。