長寿命化で12橋補修へ 2橋は年度内工事発注(宮城県 南三陸町)

[2022/9/13 宮城版]
 南三陸町は、橋梁の長寿命化修繕計画に基づいて12橋を補修する予定だ。本年度はこのうち7橋の補修詳細設計業務を県建設センター(仙台市青葉区)に委託したほか、2橋の補修工事を発注する考え。残る3橋は昨年度の点検で早期措置段階のIII判定が出ており、来年度に補修詳細設計業務を委託する見通し。

 町は本年度予算で同業務の委託費に4200万円を計上。県建設センターに委託したことで想定よりも予算が浮いたため、余った分を活用して2橋の補修工事を前倒しで年度内に発注する。

 本年度に補修工事を発注するのは最上橋と滝浜橋で、ともにIII判定を受けている。昨年度に補修詳細設計業務を東日設計コンサルタント(仙台支店・仙台市若林区)に委託し、業務成果をまとめた。

 最上橋は戸倉字綱木沢50-2で水戸辺川に架かっている。町道井戸の入線の構造物で、橋長が22.8m、全幅が4m。1974年に造られた。

 滝浜橋は戸倉字滝浜39で滝浜川に架設されている。町道津の宮滝浜線の橋梁で、橋長が6.1m、全幅が4m。1931年に建設された。

 両橋とも上部工は鋼H桁。老朽化によって下部工のクラックや支承の劣化、床版のコンクリートの浮き、鉄筋の露出などが見られるため、これらを補修する。

 本年度に詳細設計業務を委託したのは▽鏡石橋▽大船沢1号橋▽弥惣2号橋▽弥惣5号橋▽寺沢橋▽熊田橋▽千刈田橋──の7橋。いずれもIII判定を受けている。

 同業務は7月に県建設センターと委託契約を結んでおり、12月16日までにまとめてもらう。来年度に補修工事の予算を要求し、24年度の工事着手を想定している。

 昨年度の点検でIII判定を受けたのは、阿曽橋、滝沢1号橋、寺浜橋の3橋。

 町は昨年2月に橋梁長寿命化修繕計画を改訂した。この時点で町が管理している橋梁は111橋あり、建設後50年を経過した高齢化橋梁の割合が約30%となっている。10年後には約87%に達し、20年後に約94%となる見通し。

 今後は修繕や架け替えの費用が増大する見込みで、計画的なコスト縮減方策が不可欠の状況。III判定が判明した橋梁は5年以内に補修する。

 補修詳細設計業務を本年度に委託した7橋と来年度に委託する3橋の概要は次の通り。▽橋梁名(交差物)=[1]橋長[2]径間[3]上部工の構造[4]幅員[5]竣工年──の順。

▽鏡石橋(八幡川)=[1]7.3m[2]1径間[3]RCT桁橋[4]6.14m[5]1972年

▽大船沢1号橋(水路)=[1]2.4m[2]1径間[3]鋼桁橋[4]2.3m[5]1986年

▽弥惣2号橋(弥惣川)=[1]8.3m[2]1径間[3]PC床版橋[4]3.5m[5]1975年

▽弥惣5号橋(弥惣川)=[1]3.2m[2]1径間[3]RC床版橋[4]3.7m[5]1975年

▽寺沢橋(折立川)=[1]9m[2]2径間[3]鋼桁橋[4]3.53m[5]1975年

▽熊田橋(八幡川)=[1]28.2m[2]3径間[3]PCI桁橋[4]5.2m[5]1961年

▽千刈田橋(桵葉川)=[1]11m[2]1径間[3]鋼I桁橋[4]3m[5]1968年

▽阿曽橋(阿曽川)=[1]2.2m[2]1径間[3]RC床版橋[4]3.6m[5]1975年

▽滝沢1号橋(滝沢川)=[1]4.6m[2]1径間[3]RC床版橋[4]3.7m[5]1967年

▽寺浜橋(不明)=[1]2.4m[2]1径間[3]RC床版橋[4]5m[5]1977年

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