南側広場改修から着手 JR矢本駅周辺の再整備(宮城県 東松島市)
[2022/9/10 宮城版]
東松島市はJR矢本駅周辺地区の都市再生整備計画事業で、駅南側広場の改修から工事を進める考えだ。本年度に設計業務を委託し、具体的な改修方法を決めてから工事発注する。9月補正予算には設計費のほか、工事費に4500万円を計上した。工事費は来年度に繰り越す可能性がある。
同事業は昨年度までに計画をまとめて国土交通省に提出した段階では、南北自由通路や駅北側広場の新設、駅南側広場の改修などを進めることにしていた。事業期間は2022~26年度の5カ年。総事業費は19億0100万円を試算していた。
だが、同省から計画の見直しを求められたため、本年度に改めて矢本駅周辺地区の都市再生整備計画策定業務を委託し、計画を修正する。業務委託に当たっては13日に指名競争入札を開札する。履行期間は12月31日まで。
前回の同計画策定業務は国際開発コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。当初の計画では、南北自由通路の整備を最優先で進めることにしていた。修正に伴って優先順位を見直し、既存の駅南側広場の改修から着手する考え。
駅の南側は、タクシープールやロータリープールなどがあるものの、北側に改札口がないこともあり、通勤・通学時や夕方の帰宅時は、近くの国道45号などが渋滞しやすくなっている。このため、使い勝手をよくするために再整備する。
9月補正予算では、同計画の策定(修正)業務と、南側広場の調査測量設計業務に合わせて1315万円の委託費を計上するとともに、南側広場の工事費に4500万円を確保した。
これまでの計画では、駅の近くにある国道45号沿いの老朽化した市営北浦住宅を解体撤去し、跡地に広場を整備することや、誘導サインと観光案内板を設置することも構想している。
駅の北側は改札口がないため、橋梁式または地下式で自由通路を新設し、南北間のアクセス性を向上させる。駅舎から線路を挟んだ北側には市営駐車場があり、ここに自由通路の出入口を設け、ロータリーや駐輪場などの駅前広場を整備する計画になっている。
南北自由通路の新設に向けては、JR東日本東北工事事務所と「JR仙石線矢本駅周辺整備基本計画調査に関する協定」を締結。JRに基本計画調査を委託した。駅舎自体もかなり老朽化しているため、JRが周辺整備に合わせて駅舎の改築などを検討することも予想されている。
ただし、同計画の見直しに伴って南北自由通路の扱いをどうするかは明確になっておらず、今後の調整次第となりそうだ。現時点で事業期間の変更は想定していない。