粟宮アンダーの事業着手へ 小山環状線 9カ年で総事業費約80億円(栃木県道路整備課)
[2022/9/9 栃木版]
県道路整備課は8日、主要地方道小山環状線粟宮アンダーの事業着手に向けて、パブリックコメントの手続きを開始した。この事業は、小山市粟宮地内でJR東北本線の踏切部を立体交差化(アンダー形式)にすることにより踏切を除却し、小山市街地中心部の交通渋滞緩和や交通事故の削減を図るもの。事業期間は2023年度から32年度までの9カ年を予定し、総事業費は約80億円を見込んでいる。
この区間は「とちぎの道路・交通ビジョン2021」で一般広域道路「栃木西部都市連絡道路」に位置付けられ、小山市の都市計画マスタープランでも小山市外環状線の一部を構成する都市計画道路3・2・101号粟の宮線として、都市の骨格を形成する路線となっている。また、近くには防災拠点の新小山市民病院(二次救急医療機関)が立地し、本年度から粟宮新都心第一土地区画整理事業が着手されるなど、この路線の重要性が高まっている。
しかしながら、この事業箇所では道幅が狭く大型車のすれ違いが困難であり、東北本線の踏切部では緊急車両の円滑な通行に支障を来たしている。このため、東北本線と立体交差化して踏切を除却し、新小山市民病院へのアクセスを強化するとともに小山中心市街地への通過交通を分散させ、交通渋滞緩和や交通事故の削減を図る。
この工区が接続する小山環状線粟宮工区、粟宮南工区が23年春の供用を予定していることから、県は継続して23年度から事業に着手する考え。また、粟宮新都心第一土地区画整理事業が始まって今後さらなる交通量の増加が見込まれるため、早期に整備に着手する必要があるとしている。
ルートについては、17年2月に都市計画決定された都計道3・2・101号粟の宮線を基本とし、車線数は2車線とする。延長は800mで、幅員は車道3.25m×2、中央帯2.5m、路肩0.75m×2、自転車歩行者道3.5m×2の計17.5mで計画。主要構造物は、JR東北本線やJR東北新幹線の立体交差を設ける。
事業期間は、23年度に道路詳細設計を策定し用地調査を実施して、23年度から27年度に用地を取得。工事は27年度から、32年度までの6年間を予定する。総事業費の内訳は、測量設計費約2億円、用地補償費約18億円、工事費約60億円で、国費と県費で50%ずつ負担する。
この事業に意見のある人は、9日から10月11日まで県県土整備部道路整備課整備調査担当へ意見を提出する。様式は任意となっており、住所、指名、電話番号を記載し、郵送やファクス、メールで送付する。問い合わせは、同担当028-623-2413まで。