候補地は駅東地区 複合文化施設 年度内にも公募を予定(石岡市)

[2022/9/9 茨城版]
 石岡市は複合文化施設の整備に向けて検討を進めている。これまでの検討から建設候補地に駅東地区を選定した。事業手法については、PFI(BTO)方式を採用する方向性を明示。現在は基本計画の策定に向けて、協議を行っている段階にある。順調にいけば、9月中にも基本計画を策定する。9月下旬から10月ごろに民間事業者を対象にサウンディング調査を実施し、年度内にも施設整備の公募を行う見通しだ。

 複合文化施設整備事業は、老朽化を受けて閉館した市民会館の移転改築を行うもの。整備の際には市民会館単体の建設ではなく、複合文化施設として整備していく。具体的には、施設の老朽化が進む市立中央図書館を複合化し、市民会館と図書館機能を核とした施設とする。

 複合化の効果としては、▽施設機能の向上▽利便性の向上・施設間の相乗効果▽施設更新費用などの縮減──などを想定。このうち、施設間の相乗効果では、ホールでのイベント参加時に、待ち時間で図書館を利用するなど、新たな利用者開拓などを期待できるという。

 建設候補地については、駅東地区とイベント広場が有力視されており、検討の結果、駅東地区を選定した。同地区は、JR石岡駅東側に位置する市有地。敷地面積は鹿島鉄道跡地約7737平方mと市営駅東駐車場の敷地約6900平方mの合計約1万4600平方mとなる。このふたつの敷地は連続していない用地となる。同地に施設と駐車場を整備する計画となっているが、現時点はどちらに何を整備するかは決定しておらず、民間事業者から自由な提案を受け付けるという。

 基本コンセプトには「感動を、共に創る力へ変えていく『学びと交流の文化拠点』」を掲げる。施設機能としては、▽市民ホール▽図書館▽子どもの遊び場・親子のふれあいスペース▽市民活動スペース▽デジタル情報発信スペース▽フリー活動スペース▽ふるさと情報コーナー▽市民休憩・交流スペース──を盛り込む。

 このうち、市民ホールには大ホールと多目的ホールを設置。大ホールは1050席を確保し、多目的ホールは100人程度が収容できる規模とする。図書館の規模は2300平方m程度を想定。郷土資料などを展示するスペースや学習スペースも配置していく。

 子どもの遊び場・親子のふれあいスペースは、幅広い年齢層が利用できるよう、柔軟性を備えた設備や機能を有し、多彩な遊びが提供できる場として整備していく。また、相談機能も併設する。市民活動スペースには、大・中・小の会議室や和室、調理室を設置し、多彩な活動を行える場としていく。

 事業手法については、PFI(BTO)方式を採用する。民間の資金とノウハウを活用し、施設の設計と建設、維持管理、運営を行っていくことになる。

 事業費については、現在検討を進めている段階にある。当初は基本計画内で明らかにする予定だったが、現在はサウンディング調査を実施した後に公表することも視野に入れているという。

 今後のスケジュールとしては、9月中にも基本整備計画を策定する。その後、サウンディング調査を実施し、民間事業者の意向を把握したうえで、事業者募集要項・事業者選定基準を策定し、年度内に公募を開始する。

 23年度には民間事業者の提案を審査し、事業者を決定していく。24年度中に基本・実施設計をまとめ、24年度から27年度に建設工事を実施。供用開始は27年度中になる見通しとなっている。

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