角田市内町など新規4カ所 事業費総額11.6億円 防災ため池の整備事業(宮城県農政部)

[2022/9/7 宮城版]
 県農政部は「防災重点農業用ため池緊急整備事業」において、本年度に角田市内の施設など4カ所を県営事業として新規着手する(別表参照)。4カ所の全体事業費は計11億6600万円を試算。本年度に測量設計を進め、2023年度の着工、25年度までの完了を目指す。測量設計は県大河原地方振興事務所管内の3カ所を仙台土木設計(仙台市青葉区)に委託。「境堤ため池」の業務は、仙台地方振興事務所が今月末にも公告する見通し。

 国の採択を受け本年度に新規着手するのは▽内町下ため池▽内町上ため池▽三沢ため池▽境堤ため池──4カ所。浸水想定区域に重要施設があるなど対策の優先度が高い施設となっている。対策工事時期は用水の利用が少なく、渇水時期となる10月ごろから年明け5月ごろまでが想定される。

 大河原地方振興事務所管内のため池を見ると、「内町下」と「内町上」は、角田市尾山地区にある角田地区土地改良区が管理する施設。「内町下」のすぐ西側(上流側)に「内町上」が位置する。

 工事は、用水の関係から「内町下」を23~24年度に先行して、「内町上」を24~25年度に取り組む想定。地震に対する安定度を高める対策をメインに、「内町下」では取水ゲートの更新や取付水路の改修なども計画している。全体事業費は2池で計5億3600万円を見込む。

 白石市大鷹沢三沢地区の「三沢ため池」は、昭和中期に造成された施設。堤体の耐震性不足やため池周辺の法面崩落などが確認されている。工事時期は23~24年度の2カ年をかける予定だ。事業費は2億2900万円を試算している。

 この3つのため池の測量設計業務を一括で仙台土木設計が担当する。各種測量のほか、実施設計を23年2月20日までにまとめてもらう。

 仙台地方振興事務所が所管する「境堤ため池」は、亘理町長瀞字坂下に位置。国道6号と近接しており、同町が管理している。対策では堤体の補強のほか、断面が小さい洪水吐の改修などを計画している。23~24年度をかけて工事を進める見通しで、事業費は4億0100万円を見込む。

 同事務所では、実施設計となる測量設計業務を委託するため、9月末から10月上旬の公告を目指して準備を進めている。年度内に履行してもらう想定だ。

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