保健施設を統合 本年度内に基本計画策定へ(石岡市)
[2022/8/24 茨城版]
石岡市では、石岡保健センターと八郷保健センターを統合し、新たな施設を整備する方向性を示した。建設場所については、既存施設への集約や他の公共用地の利用を想定。現在は基本計画の策定を内部で進めており、本年度中にも策定し、建設場所を決定する予定だという。基本計画策定後は、23年度に基本・実施設計、24-25年度の2カ年で建設工事を行い、26年度の供用開始を目指す。
この事業は施設の老朽化などを受けて、実施するもの。石岡保健センターは1979年に杉並地内で石岡市メディカルセンターとして開設。施設の構造・規模はRC造2階建て、延べ2125平方mとなる。八郷保健センターは、八郷町保健室を移転拡充する形で、96年に柿岡地内で開設。施設の構造・規模はRC造2階建て、延べ1743平方mとなっている。
石岡保健センターは築40年、八郷保健センターは築25年以上が経過。老朽化が進んだことにより、空調設備を中心とした各種設備の更新や、屋根などの建物躯体の改修が必要な状況にある。また、石岡保健センターについては、建築年数の古さからバリアフリーを実施していないという課題が存在する。
19年に策定した市保健施設個別施設計画によると、長寿命化を図ることを基本に、複合化や建て替えについても検討していく方針を示した。特に石岡保健センターの老朽化が著しいことを踏まえ、改修よりも複合化して建て替えを行う方が、費用削減が図れる見込みが出てきたという。
一時的には、現在検討を進めている複合施設内に保健センター機能を加える意見も出たが、その後、検討の対象から外れ、現在は両保健センターの統合集約化を目指すことになった。21年12月には庁内のワーキングチームとして「保健センター統合・建設検討委員会」を立ち上げ、検討を進めている状況にある。
本年度に策定した基本構想によると、保健センターの機能として、市民に対し、健康診断や保健指導、健康診査、その他地域保健に関して必要な事業を行うことを目的とし、身近で利用頻度の高い保険サービスが一元的に提供されることが求められると明記している。具体的には、▽検診・機能訓練等▽指導・相談▽調理室▽幼児・育児支援▽会議室▽事務室▽その他・供用部──を想定する。
なお、これらの機能について、石岡保健センターは計2126平方m、八郷保健センターは計1870平方mを有している。新施設については、現在の施設と同程度を基本とし、詳細は基本計画で検討していく。また、建物に隣接する形で検診車両(大型バス3台とマイクロバス1台、計4台)が駐車できる空間の確保も必要となる。
施設統合についての基本的な考え方として、市保健施設個別施設計画に則り、利用状況を考慮した集約化と最適化を図ると同時に、地区ごとの特性とニーズに対応する必要性を指摘。あわせて、各種申請・相談の窓口や地区ごとの事業については、利便性の維持を図るよう取り組むことを示した。
新施設の建設場所については、交通の利便性や他公共施設との連携、用地の確保などを検討していく。その際には、石岡保健センターへの集約・建て替えや、八郷保健センターへの集約、他の公共用地への移転を基本に検討を進める。施設規模や事業費、ライフサイクルコストについては、基本計画内で示す予定となっている。
基本理念には、「健康でつながる人づくりまちづくりのための支援拠点」を掲げる。健康づくりや子育ての総合的な支援の中心となる施設として、分散している機能をひとつにまとめることで相乗効果を生み、市民の利便性を確保していくことを目指す。
今後のスケジュールは、年度内にも基本計画を策定し、23年度から基本・実施設計に着手する。工事は24-25年度の2カ年で実施し、26年度からの供用開始を目指す。既存施設の解体については、26年度に行う見通しとなる。