衛生センターを更新 来年度に整備基本構想を策定(栃木市)
[2022/8/23 栃木版]
栃木市は、し尿処理施設「衛生センター」(城内町2-61-5)の施設更新を計画している。市クリーン推進課によると、2030年度までに市全域のし尿処理ができる施設として、現在の敷地内で更新を図る。今後は、23年度に施設整備基本構想を策定し、24~26年度に基本計画や基本設計などをまとめる。27年度に整備業者を選定し、28~30年度に新設工事を実施して、31年度からの新施設稼働を構想している。
栃木地区・大平地区・都賀地区・西方地区のし尿を処理している衛生センターは、水処理棟、受入・貯留棟、車庫倉庫、管理棟などで構成し、1980年3月に稼働した。処理方式は高負荷脱窒素処理方式で、施設規模は1日あたり75。受入と前処理を行う受入貯留棟は1980年3月に、し尿分解を行う水処理棟は1995年12月にそれぞれ稼働した。処理水は放流し、汚泥等は資源化を行っている。
施設は老朽化が進行し、18年度に実施した余寿命検討調査では、構造物の安全性や機械設備の劣化状況から、次期施設は31年度の稼働に向けて検討するとの調査結果を出している。藤岡地区と岩舟地区のし尿処理は現在、佐野地区衛生施設組合が実施しており、更新する施設はこれら2地区も含めた処理能力を有するものが必要になるとしている。
市は受入貯留棟のコンクリート劣化調査を検証するため、土木建築・機械配管・電気計装設備の現地調査を行い、余寿命の調査と施設整備方針を検討した。余寿命は、構造体としての安全性の限界を35年度までとしている。
施設整備方針について、機械設備の更新周期、不測の事態、機器更新を考慮し、余寿命検討から5年間の余裕を見込んで、新施設の稼働は31年度とした。衛生センターは受入貯留棟と水処理棟が一体で処理しており、し尿処理を継続しながらの分離更新はできないため、水処理棟も合わせて更新する。新施設は、現在の敷地南にある余剰地を活用して整備する構想となっている。
なお、県は国交省の汚水処理施設の広域化・共同化計画に基づき、本年度に広域化・共同化計画の策定を予定。市は新施設の整備基本構想について、県の計画を踏まえて策定するとしている。