宿泊棟減築を検討 鹿野山少年自然の家(習志野市)

[2022/8/23 千葉版]

 習志野市は、鹿野山(かのうざん)少年自然の家について、「宿泊棟を減築し、施設を維持を図る」方向で検討を進めていることを明らかにした。年度内にも、在り方に関する第三者委員会の報告書などを踏まえ、最終的な方向性を決定する方針だ。

 「鹿野山少年自然の家」は、館山自動車道・君津ICから約20分の、市原市鹿野山常緑平に位置する。1973年7月に開所。市内の小学生や幼稚園児がセカンドスクール(自然体験学習)の場として利用している。

 構造・規模は、宿泊棟がRC造4階建て延べ1539平方m、食堂棟がRC造2階建て延べ779平方m。屋外には遊具や炊事場、かまど、テーブル、丸太イスなどが整備されている。

 2023年度からの長寿命化改修を予定していたが、宿泊施設として利用していくためには、施設改修に伴う事業費の増額が見込まれている。そこで、改修計画を見直し、自然体験学習の在り方を含めて検討するため、21年8月に「今後の在り方に係る第三者委員会」(委員長・廣田直行日本大学生産工学部建築工学科教授)を設置。

 同委員会では、ことし3月まで4回にわたって、教育委員会が提示した▽「すべて維持」「宿泊棟を減築し、施設維持を図る」「宿泊棟は維持しないが、外の環境のみ維持」「施設の維持をしない」──の4つの選択枝について検討した。

 このうち、「宿泊棟を減築し、施設を維持を図る」案では、宿泊棟の3、4階を減築し、1階、2階部分のみ維持。施設内での宿泊はできないものの、室内の活動場所、浴室、食堂など、必要最低限の設備を確保することを想定している。

 10年間のランニングコストについては、「すべて維持」約13億5000万円(改修など初期費用約4億0100万円)、「宿泊棟を減築し、施設維持を図る」約10億2400万円(同約4億6600億円)、「宿宿泊棟は維持しないが、外の環境のみ維持」約10億5900万円(同5億円)、「施設の維持をしない」約4億6600万円(うち解体費約3億円)を見込んでいる。

 同委員会は、最終報告書で、「4つの選択肢の中からひとつに絞ることは難しい」としながらも、「規模、内容、コストなどを十分に検討し、減築して施設維持」もしくは「施設の維持をしない」が妥当と結論づけている。

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