貝谷橋で上部工 主要事業 牛堀麻生BP整備を推進(県鉾田工事)
[2022/8/19 茨城版]
県鉾田工事事務所(秋山文昭所長)はこのほど、本年度の主要事業をまとめた。道路整備では、国道355号牛堀麻生バイパスや水戸神栖線、大洗友部線などの整備を行う。河川整備では、巴川で貝谷橋の橋梁上部工事や河川改修を推進する。このほか、旭海岸での粗粒材養浜工事や、急傾斜地での対策工事、鹿島灘海浜公園でのボードウォーク更新工事などを盛り込んだ。
道路整備のうち、国道355号牛堀麻生バイパス整備事業では、本年度に行方市区間で用地補償と道路改良舗装工事、路線測量を実施していく。同線は潮来市と笠間市を結び、鹿行地域と県央地域を横断して広域的な経済活動を支える幹線道路。しかし、国道51号から国道6号までの区間で交通渋滞が発生しているほか、行方市麻生地内の市街地では現道が狭く、歩行者の安全確保が課題となっている。さらに、災害時には第一次緊急輸送道路としての役割を果たす必要があるため、国道51号から行方市麻生までの約5km(鉾田工事管内2.5km)でバイパス整備を進めている。全体計画は延長10.8km、幅員25m/14mで、総事業費は180億円と試算。復興期間約5kmの進捗率は21年度末で74%(用地98%)となっている。
水戸神栖線道路整備事業では、本年度に手賀地区で工事と用地補償、井上藤井地区で流末調査を実施する。同線は鹿行地区を南北に縦貫する広域的幹線道路かつ緊急輸送道路。行方市内では、大型車両の交通量が多く、車道の線形が現在の規格を満たしていない箇所があり、円滑な通行や通学路の安全対策に支障をきたしている。そこで、道路改良や歩道の設置を行っていく。
全体計画は、手賀地区(行方市手賀)で延長2100m、幅員15m/6.5m、総事業費は6億5000万円に設定。進捗率は22%となる。井上藤井地区(行方市井上藤井)は延長1180m、幅員15m/6.5mとし、総事業費は7億8000万円と試算。進捗率は76%となっている。
大洗友部線道路整備事業では、本年度に道路改良舗装工事と道路舗装工事を行う。同線は大洗町と笠間市を結ぶ幹線道路であるとともに、緊急輸送道路としても重要な路線。しかし、鉾田市箕輪地区内の現道は、道路法線が2カ所で直角に屈曲していることに加え、歩道もなく、通行に支障をきたしている。そこで課題解決に向けて、バイパス整備を行い、安全で円滑な交通の確保を目指していく。全体計画は延長1000m、幅員10m/6m、総事業費は12億1000万円に設定。進捗率は89%(用地100%)となっている。
巴川広域河川改修事業では、本年度に築堤と地盤改良工事、貝谷橋の橋梁上部工事、用地補償を予定する。巴川では、河川断面が狭小であることから、大雨時には浸水被害が発生している。そこで、被害をなくすよう流下を阻害する橋梁の架け替えを進めるとともに、下流から河道掘削と堤防整備を進める。全体計画は延長4840mで、総事業費は61億7500万円と試算。進捗率は69.1%となっている。
海岸浸食対策事業では、本年度は旭海岸で粗粒材養浜工事を行う。同事務所管内の海岸をみると、鹿島灘海岸では、依然として浸食が著しく、砂浜の維持・安定化を図るため、ヘッドランドと養浜工をあわせた工法で浸食の防止に努めている。鉾田海岸では近年、砂浜の後退が見られており、地元の意見を考慮しながら工法の検討を進めている段階にある。全体計画はヘッドランド20基、養浜145万5000立方mとし、総事業費は197億7000万円に設定。進捗率は36.8%となり、これまでにヘッドランド15基、養浜工(粗粒材)24万8000立方mの整備が完了している。
急傾斜地崩壊対策事業では、本年度に行方市山田地区や鉾田市七軒町地区ほか3カ所で対策工事を行う。この事業は急傾斜地でがけ崩れの恐れがある危険箇所の崩壊対策を進めるもの。また、崩壊対策工事とあわせて、危険性のある区域の明確化や警戒避難体制の整備などのソフト対策の充実を図るため、土砂災害防止法による土砂災害警戒区域などの指定見直しを進めている。全体計画は99カ所(鉾田36カ所、行方63カ所)とし、進捗率は63%(62カ所概成)となる。
鹿島灘海浜公園事業では、本年度にボードウォーク更新工事を実施していく。この事業は鹿島灘の恵まれた自然環境を活用し、県民のレクリエーションニーズに対応した広域公園として、施設の改築・更新を進めている。事業面積は27haで、総事業費は約55億円となる。供用開始済は20.6ha(ボードウォーク、休憩棟、ピクニック広場など)となっている。