水道事業の統合広域化 広域連携も視野に検討 (千葉市)
[2022/8/18 千葉版]
千葉市は17日、水道事業の統合・広域化に向けた県との協議状況を明らかにした。事業統合による効果額の精査などで協議に時間がかかっているため、今後も県との協議を継続しつつ、広域連携も視野に入れながら検討を進めていく考えを示した。
17日に開催された千葉市水道事業運営協議会(会長・川村博章市議会議長)で、「事業統合・広域化に向けた県との協議状況」が議題となり、市水道局が報告した。
知事と市長のトップ会談で、特に調整が必要な事項について方向性を示し、行政の効率化や課題の早期解決を目指す「千葉県と千葉市の連携推進会議」が2021年7月に開催。優先テーマの一つとして水道事業を協議した。
その中で、統合による効果額を精査すること、市営水道が抱える未活用水源などの課題解決と水の安定供給に向けた効果的な手法を県市所管部局で検討することで合意した。
これまで県との協議や施設の視察などを計13回実施。事業統合による効果額の精査などは、慎重・丁寧に調整を図るべき事項も多いことから、協議に時間を要しているという。
県は「水道広域化推進プラン」の策定作業を進めている。県営水道を中心として、同市を含む、できるだけ広域で事業統合する手法は、このプランに盛り込むのにふさわしい施策の一つであることから、抜本的・即効性のある施策を盛り込むよう求めていく。
橋本欣哉水道局長は、引き続き粘り強く、県と事業統合に向けた協議を進めていくとともに、広域連携も視野に入れながら検討を進めていく考えを示し、「リーディングケースとなる県営水道と九十九里・南房総地域の水道用水供給事業体との統合も注視しながら、県と本市双方が受け入れ可能なものを模索していきたい」と話した。
同市の水道事業は給水人口の95%が県営水道となっている。市営水道は、給水区域のかたよりにより、経営効率が悪く、小規模事業体であるため、災害対応にも限界がある。将来にわたって水道を維持し、水の安定供給を継続していくため、抜本的な対策が求められている。