センター方式が最安 給食施設の整備費を試算(野田市)

[2022/8/17 千葉版]

 野田市は、2022年度の第1回学校給食運営委員会で、学校給食施設整備方針の検討状況を明らかにした。現行の「自校方式」と「センター方式」に「親子方式」を加えた3方式による整備費用を試算した結果、全校をセンター方式に移行した場合、現行方式に比較して約180億円削減できることがわかった。今後は、第三者委員会の設置やパブリックコメントの実施なども見据えながら、整備方針の策定作業を進めることにしている。

 市では、経年劣化により給食センター、単独調理場ともに老朽化が進んでいることから、衛生管理基準への適合などの課題を整理するなど、給食施設全体の方向性について検討を進めている。

 現有施設は、給食センター(センター方式)2カ所と単独調理場(自校方式)18カ所。22年度の給食提供数は計1万2249人。市立幼稚園3園、小学校20校、中学校11校に給食を提供している。

 検討にあたっては、各校の29年度推定児童生徒数をもとに計画食数を設定し、建設費などイニシャルコストと、60年間の運営費などランニングコストを試算した。

 その結果、重点施策の「食育の推進」や「安全・安心な給食の提供」の観点では、自校方式が最も適しているものの、財政面では、現行方式と比較して、センター方式は約180億円、親子方式は約50億円の削減効果が見込めることがわかった。

 また、センター方式を親子方式に移行する一部親子方式は、整備費用はセンター方式の継続よりも安価となる一方、運営費用は調理場の分散による施設の維持費負担増により、トータルで現行方式と比較し約29億円の増加となった。

 調理方式移行における課題としては、代替給食の検討の必要性や、親子方式やセンター方式の建て替えにあたって、新たな用地を確保した場合には、「工場」扱いとなることから、立地規制を考慮する必要があることなどを挙げている。

 築50年の学校給食センターは、RC造・S造延べ1188平方m。同34年の関宿学校給食センターは、S造延べ1013平方m。

 自校式給食室は、北部小が最も古く1966年の建設。竣工年ごとの内訳は、60年代2校、70年代3校、80年代11校、90年代1校、2000年代1校となっている。

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