事業費は327億円 境町の猿山と蛇池に物流施設(日本GLP)
[2022/08/16 茨城版]
日本GLP(東京都港区、帖佐義之代表取締役社長)はこのほど、境町猿山・蛇池地区に物流施設「GLP境古河I・II」を整備することを明らかにした。総事業費には約327億円を投じる。秋ごろには造成工事に入り、調整池や地区内道路の整備工事を実施する。境古河Iの建設工事は23年10月に着手する予定で、25年4月の竣工を目指す。境古河IIは25年4月の着工、26年10月の竣工を予定している。
同地区は、地元地権者が「猿山・蛇池地区開発事業地権者協議会」を設立し、民間事業者による開発行為で実施。協力会社として大洋(水戸市)が約10.1haの開発事業を推進してきた。21年6月に町が地区計画の都市計画決定を設定。12月には都市計画法の開発許可を取得し、企業誘致を進めてきた。
猿山・蛇池地区は圏央道の境古河ICから約400mで、国道354号線沿いに位置することから、東京都心や周辺エリアへのアクセス性が優れている。また、国道354号バイパスは新4号国道への接続が計画されていることから、北関東エリアへのアクセス向上が期待されている。
物流施設は最小区画面積を約2880平方mとし、小・中規模スペースへのニーズにも対応した汎用性の高い区画割を実現する。最大区画面積は約6万6100平方m(1フロアの最大は約1万9200平方m)で、拠点集約による保管効率の向上も可能だ。作業庫内には窓を設置し、自然光を採り入れるほか、カフェテリアを設けて、快適な就労環境を提供する。同社が県内で手掛ける物流施設は、「GLP圏央五霞」「GLP常総・常総II」に続き4、5カ所目となる。
GLP境古河Iは、敷地面積約4万2000平方mで、施設の規模は耐震S造4階建て、延べ面積約8万5000平方m。マルチテナント型物流施設とし、1-3階に接車可能で、1階は低床バースを採用、2階は最小約2880平方mの小割区画に対応するなど豊富なバリエーションを展開する。一方、GLP境古河IIは、敷地面積約3万9000平方mで、施設の規模は耐震S造4階建て、延べ面積約7万9000平方m。BTS型、マルチテナント型のどちらにも対応できる仕様とする予定だ。
日本GLPの進出により、町では年間約1億7000万円の税収増と約400人の新規雇用の創出を見込む。また、災害協定を結び、災害時の避難所としての施設利用を求めていく考えだ。