候補地を絞り込み 道の駅整備で第2回検討会(那珂市)
[2022/8/10 茨城版]
那珂市はこのほど、市役所本庁舎で第2回「複合型交流拠点施設道の駅整備検討委員会(委員長・川島佑介茨城大学人文社会科学部準教授)」を開催した。今回は基本理念・コンセプトや、設置場所候補地の比較検討、導入機能の基本方針案、基本構想案の検討を行った。このうち、候補地については、4カ所から2カ所に絞り込みを実施。この2カ所の候補地については、8月下旬にも明らかにする見通しとなる。第3回検討委員会は9月に開催する予定で、整備・管理運営手法(PPP/PFI導入可能性)などの検討を行い、基本構想案をまとめる考えだ。
この委員会は、有識者や市民団体などの代表者ら15人で構成。オブザーバーとして国や県の担当者ら6人が参加した。冒頭あいさつした川島委員長は「前回に引き続き基本コンセプトと候補地について協議を行うので、積極的に意見を出してほしい」と述べた。
道の駅の整備におけるコンセプトは、「那珂でつながる道の駅」とし、那珂ICと地域内外の魅力をネットワーク化し、地域経済の活性化につなげる拠点の創出を図る。
基本理念には、▽IC周辺まちづくりの核となり、県内外の都市との連携(つながり)・交流促進を図る拠点づくり▽市の観光資源や特産品などの魅力を発信し、市内回遊につなげる拠点づくり▽生産者との連携(つながり)により、豊かな農産物や特産品を購入・飲食できる施設として、産業の活性化とブランド価値向上につなげる拠点づくり▽地域住民が日常的に集い(つながり)、市民の生活利便性につながる場、および安心・安全を支える拠点づくり▽次世代につながる子育て応援機能の充実を図り、子育て世代や多世代交流(つながり)を促す拠点づくり▽サステナブルな未来に導く(つなげる)、モノやサービスが情報でつながる拠点づくり──の6項目を掲げて導入機能の検討を行った。
設置場所候補地の比較検討では、前回提案した道の駅整備の考え方に基づき、ワーキング委員会などの意見を踏まえて4カ所の候補地を比較検討するとともに、その周辺を対象候補地として想定し、第1次評価を行った。対象候補地は、[1]飯田押敷交差点北側[2]飯田押敷交差点南側[3]飯田大洞交差点[4]市道五差路交差点──の4カ所となる。前回示された条件は、那珂ICから約2km以内の範囲で、基幹道路(バードライン)を軸とした主要交差点であること。
第1次評価では、道の駅の整備方針や事業の実現性などの観点から、▽地域住民の利便性▽市内観光の情報発信拠点▽周辺観光資源との連携▽周辺道路の交通条件▽既存施設などの立地状況──をそれぞれ評価。第1次評価で抽出した4候補地のなかから2候補地(4敷地)に絞り込み、その周辺も併せて第2次評価を行う考えだ。
導入機能の基本方針案では、道の駅の基本機能である「休憩機能」と「情報発信機能」、「地域連携機能」を兼ね備えた施設の形成を図るほか、地域外から活力を呼ぶ「ゲートウェイ型」と地域の元気を創る「地域センター型」としての機能を持たせる。
基本構想は現在、建設技術研究所茨城事務所(つくば市)で進めており、今回は素案を提示した。検討内容を反映して基本構想を策定するとともに、23年3月22日までに基本計画をまとめる予定だ。
複合型交流拠点施設「道の駅」は、那珂IC周辺地域開発の一環として計画。23-24年度に基本設計、25年度に実施設計策定し、26-27年度で本体建設工事と外構工事を行って、28年度ごろの供用開始を目指す。
この事業は県による国道118号の4車線化などで交流人口の拡大が期待されることから、那珂ICを活用したまちづくりを計画した。道の駅は農産物直売所をはじめ、市民交流や防災拠点などの機能を併せ持つ「複合型交流拠点施設」を想定。敷地面積は駐車場を含めて約4ha程度を見込む。駐車場は約130-200台を収容、施設の規模は約1400-1950平方m程度を見込んでいる。