ダム構造物の劣化調査 対策工検討へプロポ(釜房ダム)
[2022/8/6 宮城版]
国土交通省釜房ダム管理所は、建設から50年以上が経過している釜房ダム本体の構造物について、劣化・変状箇所を調べ、対策工を検討するために変状要因などを調査検討する。この調査検討業務は簡易公募型プロポーザルで委託することとし、29日まで参加表明書や技術提案書を受け付け、審査して委託先を決める。調査結果を踏まえ、必要に応じて計画的に対策工事を進める考え。
釜房ダム(川崎町)は洪水調節と農業・工業用水の確保を目的に、名取川改修計画の一部として建設準備が進められ、第二次世界大戦による中断を経て、1966年に工事を再開し、70年12月に竣工した。
型式は直線重力式コンクリートダム。規模は堤高が45.5m、堤頂長が177m、堤堆積が10万立方m。特徴は、川幅が狭い上に洪水量が比較的大きいため、余水吐として半管路オーバーラップ型式を採用していること。
主な設備は、4m×4.1m×4門の共同取水設備、8m×8.9m×4門のクレストゲート、4.5m×4.4m×3門のコンジットゲート、放流バルブなどが備わっている。
今回の業務では、ダム本体のコンクリート構造物やゲート設備などを対象に、劣化や変状、周辺状況などを調査し、変状要因とメカニズムについて調べた上で報告書をまとめる。履行期間は2023年2月28日まで。
プロポの参加資格は、単体企業か設計JVで、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けていることなど。
プロポで技術提案を求める評価テーマは、ダムの▽管理施設について、劣化変状および構造物健全度の調査に関し、その発生要因やメカニズムを検討する際の留意点▽堤体下流の導流壁について、構造物の変状に影響する周辺環境条件の要因を特定するため、調査観測の手法および観測体制の整備を検討する際の留意点──となっている。