江戸川水閘門の改築検討 プロポで建技研を特定(江戸川河川)
[2022/8/9 千葉版]
国土交通省江戸川河川事務所は、江戸川水閘門改築他検討業務の簡易公募型プロポーザルを実施し、建設技術研究所(東京都中央区)の技術提案書を特定した。江戸川下流部の治水機能を確保するため、老朽化した江戸川水閘門を撤去し、同じ機能をもつ水閘門を改築する計画。同業務の成果を踏まえ、事業計画案をとりまとめ、新規事業採択時評価を経て、早期の事業化を目指す。
同業務では、江戸川下流部に位置する江戸川水閘門について、水門・閘門、魚道を含む低水管理施設などの水理諸量を整理し、河道変動に対する対策工を検討。併せて、中川中流部にある柿木樋管の改築にあたり、仮設計画を検討していく。履行期間は8月下旬から2023年2月下旬を予定している。
江戸川水閘門は、江戸川放水路分派後の旧江戸川上流端に位置する。1943年3月に竣工した施設で、築80年近くが経過し、老朽化が進んでいる。鋼製ローラーゲートで、規模は水門が幅10.6m×扉高5m×5門、閘門が幅13.4m×扉高6.5m×2門。
3月に開催された関東地方整備局の計画段階評価検討委員会(委員長・山田正中央大学研究開発機構教授)では、江戸川下流部の治水機能確保対策について、対応方針案を審議した。
複数案を比較・評価し、対策案として「江戸川水閘門改築案」と「江戸川水閘門を迂回する放水路整備案」を抽出。コスト面などで、老朽化した現施設を撤去し、同じ機能をもつ水閘門を改築する「江戸川水閘門改築案」が了承された。事業費は約540億円を概算している。