前川で橋梁下部工 主要事業 荒井行方線の整備を推進(県潮来土木)
[2022/8/6 茨城版]
県潮来土木事務所(柏谷聡所長)はこのほど、本年度の主要事業をまとめた。道路事業では、荒井行方線や潮来佐原線、深芝浜波崎線の整備事業を推進していく。また、「前川かわまちづくり計画」に基づいた前川の整備事業のほか、砂浜の回復などを目的とした鹿嶋・波崎海岸侵食対策事業、急傾斜地崩壊対策事業 武井地区などにも取り組む。
道路事業のうち、荒井行方線では本年度に道路改良工事や歩道橋の設置などを行う。同線は鹿行地域を東西に連絡する国道51号と国道354号を補完する道路。交通の円滑化や緊急輸送道路ネットワーク機能の向上を図るため、狭隘箇所である国道51号との交差点付近において現道拡幅を進めている。全体計画は、延長1400m(このうち1060mは供用済み)、幅員10m/6m、片側歩道2.5m。総事業費は約29億円と試算した。
潮来佐原線では本年度に道路改良舗装工事を行う。同線は、東関東自動車道水戸線の潮来ICから水戸神栖線を経由して潮来市街地へ連絡する道路。JR潮来駅やあやめ園から潮来ICのアクセス強化を図るため、4車線化を進めている。全体計画は、延長2100m(このうち1180mは供用済み)、幅員22m/13m、両側歩道3.5m。総事業費は約11億円に設定した。
深芝浜波崎線では、本年度に用地補償を進める。同線は神栖市内を南北に連絡する道路。通学児童の安全確保や緊急輸送道路ネットワーク機能の確保を図るため、現道拡幅を進めている。
昨年度までに約2760m区間の整備を完了し、現在は、植松交差点から波崎高校入り口交差点までの区間の整備を進めている。当該区間の全体計画は、延長800m、幅員14m/6.5m、両側歩道3m。総事業費は約4億円となる。
河川整備のうち、前川では、本年度に橋梁下部工(市道橋の架け替え)を実施する。前川は潮来市内を流れ、河岸にはあやめ園、同河川に架かる十二の橋を巡る観光遊覧船が運航されるなど、水郷筑波国定公園の指定を受けている。現在は、潮来市と共同で策定した「前川かわまちづくり計画」に基づき、流下能力不足区間の河道拡幅及び景観や環境に配慮した川づくりを進めている。全体計画は、延長3120mで、総事業費約20億円を試算している。
鹿嶋・波崎海岸では粗粒材養浜工1万2000立方mを実施する。鹿嶋・波崎海岸は、河川からの供給土砂が減少したことなどを受けて、砂浜の侵食と堆積区域が偏在するようになった。このため、ヘッドランド(人口岬)と養浜を組み合わせた侵食対策事業を実施している。全体計画は、ヘッドランド11基と養浜工一式。総事業費には約125億円を投じる。
急傾斜地崩壊対策事業の武井地区では、本年度に延長約20mにおいて、アンカー工等を実施していく。同地区では、茨城鹿島線と鹿嶋市道1143号線に囲まれた13戸の保全対象家屋が存在する区域において、15年度から事業に着手。全体計画は、延長329m、がけ高約20m。総事業費は約9億円を試算している。