国道6号の整備を 県知事に20項目で要望活動(県央首長懇話会)
[2022/8/3 茨城版]
県央地域9市町村の各首長で組織する県央地域首長懇話会(座長・高橋靖水戸市長)はこのほど、県の23年度予算概算要求に対し、地域内で実施する事業の促進を求める要望書を大井川和彦県知事に提出した。要望項目は20項目となり、このうち、4項目は県央地域全体の要望として全市町村が要望。主なものでは、国道6号の整備促進や社会資本総合整備事業などを盛り込んだ。また、各市町村ごとの個別の要望では、水戸市が水戸勝田環状道路の整備促進、笠間市が茨城中央工業団地の整備促進と県畜産試験場跡地の利活用およびアクセス道路の整備、ひたちなか市がひたちなか地区の土地利用を重点要望に位置付けて要望を実施(23年度要望事項の概要は後日掲載)。あわせて、新型コロナウイルス感染症および原油価格・物価の高騰への対策に関する要望も行った。
懇話会は水戸市と笠間市、ひたちなか市、那珂市、小美玉市、茨城町、大洗町、城里町、東海村の5市3町1村で構成する。当日は各首長らが県庁を訪れて、大井川知事に県央地域内の主要事業の促進や各種支援の充実を要望した。
要望内容の説明では、県央地域全体の要望として、▽財政支援制度の創設▽小児医療および周産期医療体制の確立に向けた支援▽国道6号の整備促進▽社会資本総合整備事業──の4項目を盛り込んだ。
このうち、「財政支援制度の創設」では、施設の統廃合による公共施設建築物の除却や改修に対する助成制度の創設を要望。また、水道施設等耐震化事業に係る対象施設の基準事業費の緩和と交付率の引き上げ、老朽管更新事業に係る新規実施の採択、対象管種の緩和と交付率の引上げなども求めた。
「国道6号の整備促進」では、広域交通ネットワークの形成や観光の振興をはじめ、さまざまな取り組みに同線の機能強化が不可欠だと指摘。具体的には、水戸市酒門町交差点の立体化の整備促進や小美玉道路(仮称)の早期事業化、茨城町地内(小美玉市行政界から茨城町長岡の区間)と那珂市向山から東海村石神外宿間の4車線化に向けた整備促進について、国に働きかけるよう要望。特に那珂市向山から東海村石神外宿の区間は、東海村が重点要望に位置付けている。
「社会資本総合整備事業」では、県央地域における防災・安全交付金事業、社会資本整備総合交付金事業、都市構造再編集中支援事業、交通安全対策補助事業の一層の推進を図るため、事業費の補助を国に働きかけるよう要望した。
市町村別の要望のうち、重点要望をみると、小美玉市は茨城空港の利用促進とアクセス向上を求めた。建設業関連としては、百里飛行場連絡道路のうち、国道355号玉里石岡バイパスと百里飛行場南北線(仮称)の早期事業化を要望している。
笠間市は茨城中央工業団地(笠間地区)の整備促進と企業誘致、県畜産試験場跡地に係る利活用とアクセス道路の整備を要望。このうち、茨城中央工業団地では、未整備部分の整備に加え、関連道路である流通センター東西線(大洗友部線)と流通センター北線・南線(石岡城里線バイパス)の早期整備を求めた。また、県畜産試験場跡地では、北街区と東街区での企業誘致や、北関東道友部ICからのアクセス道路である平友部停車場線の拡幅などを要望した。
ひたちなか市は、ひたちなか地区の土地利用について要望を行った。土地利用の推進にあたり、国、県および地元市村による具体的な検討・調整の場を設けるとともに、県と県土地開発公社の所有地を処分する際には十分に協議して地元の意見を尊重すること。さらに都市センターエリアでは、早期処分を行うことなく、ひたちなか地区への公共交通の整備や交流拠点の整備など、地元市村の進めるまちづくりに支援することを求めた。
水戸市は水戸勝田環状道路関連で、都市計画道路中大野中河内線と都市計画道路東中根高場線、都市計画道路菅谷飯田線の整備を要望した。このうち、中大野中河内線では、市道上大野9号線交点から中石崎水戸線交点、幹線市道3号線交点から水戸神栖線交点、国道50号交点から国道123号交点の早期整備に加え、那珂川への橋梁架設などを求めた。
このほか、那珂市は国道118号について、飯田から中里間での4車線化の早期整備を要望。城里町は国道123号で、特に圷から粟間までの未整備区間の早期整備を要望した。茨城町は、大洗友部線の国道6号から茨城中央工業団地(駒渡側)までのバイパス整備と、駒場から海老沢区間における未改良区間の早期整備を求めた。大洗町は吉沼磯浜線の国道245号から都市計画道路関根祝町線間の早期事業化を要望している。
今回はこれら事業促進に関する要望に加え、新型コロナウイルス感染症および原油価格・物価の高騰への対策に係る要望活動も実施している。