中丸川で河川改修 主要事業 那珂・大宮BP整備を推進(県常陸大宮土木)
[2022/7/30 茨城版]
県常陸大宮土木事務所(和田幸三所長)はこのほど、本年度の主要事業をまとめた。道路整備では、国道118号那珂・大宮バイパスや国道245号ひたちなか市・東海村4車線拡幅、国道123号御前山バイパスなどを推進する。河川では中丸川で河川改修工事などを行う。このほか、山方橋の耐震補強設計や新早戸橋の修繕工事などを盛り込んだ。
主な事業のうち、国道118号那珂・大宮バイパス整備事業(常陸大宮市・那珂市)では、本年度に道路改良舗装工事と道路詳細設計などを実施していく。同線は水戸市を起点として、県北部を縦貫する広域幹線道路。災害時には緊急輸送道路して重要な役割を担う路線だが、水戸市から常陸大宮市間の慢性的な渋滞に加え、行楽シーズンには常磐道那珂ICから奥久慈方面へ向かう交通渋滞が課題となっているため、4車線のバイパス整備を進める。全体計画は延長8300m、幅員28m、総事業費は226億円と試算。進捗率は21年度末で76%となっている。
国道245号ひたちなか市・東海村4車線拡幅整備事業(ひたちなか市・東海村)では、本年度に橋梁工事(新川橋上り車線架け替え、宮前橋架け替え、村松橋架け替え)や道路改良舗装工事などを行う。同線は、水戸市から日立市の太平洋沿いを連絡する広域幹線道路。常陸那珂開発地区や東海村の原子力関係事業所の集積地区を縦断し、国道6号を補完する機能や、災害時の緊急輸送道路などの役割を担っている。しかし、慢性的な交通渋滞が課題となっているため、現道の4車線拡幅整備を進めていく。全体計画は延長1万5060m、幅員22-25m、総事業費は157億円に設定。進捗率は99%となる。
国道123号御前山バイパス整備事業(常陸大宮市野口)では、本年度に地質調査・軟弱地盤解析や構造物詳細設計、用地測量を予定する。同線は栃木県宇都宮市から水戸市を結ぶ広域幹線道路、水戸土木事務所管内の那珂川大橋の架け替えに伴い、常陸大宮土木事務所管内の900m区間について、20年度からバイパス事業を開始した。全体計画は延長900m、幅員12mとし、進捗率は2%となっている。
常陸那珂港山方線整備事業(水戸外環状道路)では、本年度に用地補償と道路・橋梁詳細設計などを進める。水戸外環状道路は、北関東自動車道や常磐自動車道と一体となって、水戸市とひたちなか市のほぼ外周を通る交通機能の高い環状道路。現在は国道245号から国道6号までの6.1km区間において、暫定2車線の供用を目指して事業を進めている。全体計画は延長6100m、幅員25mに設定。進捗率は4%となる。
中丸川改修事業(ひたちなか市)では、本年度に河川改修工事と調整池築堤工事、調節池洪水吐施設工事、用地買収などを実施していく。中丸川はひたちなか市を流れ、那珂川に合流する一級河川。洪水時における河川の氾濫による家屋の浸水や、田畑の冠水などによる農作物への被害を防ぐため、調節池計画を含めた河道改修として河川の整備を進めている。全体計画は河道改修が延長7600m(本郷川1200m含む)、調節池が14.3haで、総事業費は112億円と試算。進捗率は河道が延長3800m(本郷川200m含む)で概成となっている。
橋梁の耐震化・老朽化対策事業では、地震時における救急活動や緊急物資の輸送などに影響を与える橋について、必要な対策を進めていく。このうち、耐震補強事業では、本年度に山方橋(国道118号、常陸大宮市山方)の耐震補強設計に着手する。なお、橋梁耐震化計画によると38橋が対象となる。
修繕事業では、本年度に新早戸橋(市毛水戸線、ひたちなか市枝川)の修繕工事を実施していく。なお、橋梁長寿命化修繕計画によると、対象は国道118号大宮陸橋など62橋となっている。