LRTにドラレコ活用 本年度実施プロジェクト 都市モデルを学校教育へ(宇都宮Uスマート協議会)

[2022/7/29 栃木版]

 宇都宮市のUスマート推進協議会はこのほど、2022年度の実施プロジェクトについて、5事業を決定した。新規に行う実施プロジェクトは▽ドライブレコーダーやAI解析を活用したLRTの運行ルートリスクアセスメントプロジェクト▽3D都市モデル等を活用したデジタルシティプロジェクト-の2事業。このほか▽アプリを活用した子育て世代の頼りあい推進プロジェクト▽交通結節点における多機能デジタルサイネージを活用した回避促進プロジェクト▽地域内カーボンニュートラル実現のためのエネルギー基盤技術実証プロジェクト-の3事業も継続して行う。これら5事業は協議会総会で事業計画などを審議した後、準備が整い次第、実証実験に着手する。

 「ドライブレコーダーやAI解析を活用したLRTの運行ルートリスクアセスメントプロジェクト」は、宇都宮ライトレール(宇都宮市)・三井住友海上火災保険(東京都千代田区)・MS&ADインターリスク総研東京都千代田区)が提案事業者となった。ドライブレコーダー映像のAI解析により、LRT走行ルートにおけるリスクの洗い出しなどを行うことで、運転士の教育ツールを作成するとともに、他の交通参加者への安全啓発にも活用する。

 22年度は、LRT車両に設置したドライブレコーダーの映像についてAI解析を行い、運行ルート周辺環境に潜むリスクを把握して比較的リスクが多い地点の目視確認方法を導き出し、運転士教育に活用。リスクアセスメントの結果を踏まえ、交通安全の周知啓発にも活用する。

 「3D都市モデル等を活用したデジタルシティプロジェクト」は、フォーラムエイト(東京都港区)が事業を提案した。3D都市モデルや社会施設等の3Dモデルを活用し、新たな生活様式に対応した、子どもたちの創造性を育む効果的な教育の実現を目指すとしている。

 22年度は宇都宮市街地の3D都市モデルや、新たに構築する社会施設等3DモデルをWebからアクセス可能なプラットフォームに登録して活用。学校教育等の中での効果的な活用方策を検証する。

 「アプリを活用した子育て世代の頼りあい推進プロジェクト」は、AsMama(横浜市中区)が提案事業者。内容はスマートフォンアプリを活用し、保育園・幼稚園・学校のコミュニティで気心が知れた保護者同士で子供の一時預かりなどの頼りあいが円滑に行えるシェアコミュニティの創出を目指すもの。

 「交通結節点における多機能デジタルサイネージを活用した回避促進プロジェクト」は、下野新聞社(宇都宮市)が事業提案者。22年度は、JR宇都宮駅周辺にデジタルサイネージを設置する。公共交通機関や観光の情報等を掲示し、デジタルサイネージとスマートフォンでリアルタイム情報を発信することで、周辺施設や観光施設への回遊を促進。利用ログなどのデータを蓄積して、ビッグデータとして施設のマーケティングなどにも活用する。

 「地域内カーボンニュートラル実現のためのエネルギー基盤技術実証プロジェクト」は、東京電力パワーグリッド栃木総支社(宇都宮市)と早稲田大学先進グリッド技術研究所(東京都新宿区)が事業を提案した。22年度は、スマートメータの電力量データを収集・分析し、把握したデータを解析して太陽光発電や家庭用蓄電池等の電力使用機器の推定を実施。実態に即した電力系統モデルを検討し、地産地消率の向上への評価ができる環境構築方法も検討する。さらに電力の見える化を活用し、地産地消の促進に効果的な取り組みを検討する。

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