JRが立体交差化提案 仙台の新石巻街道踏切道(国や仙台市らと改良協議)
[2022/7/26 宮城版]
同協議会は、道路管理者と鉄道事業者、広域的な観点・専門的な知見を持つ行政機関、地域の関係者らによって組織され、地域の実情に応じた踏切道対策の検討や、地方踏切道改良計画の作成・実施などに関して協議し、踏切道の対策促進を図る。
24日の合同会議はウェブ形式で開かれ、東北地方整備局、東北運輸局、県、仙台市、大崎市、JR東日本、仙台東警察署、古川警察署などが参加。主に仙台市内の新石巻街道踏切道と神明踏切道、大崎市内の志田踏切道について協議した。
新石巻街道踏切道は、仙台市青葉区中江2丁目23-20で、市道北四番丁岩切線とJR仙山線の交差部に位置している。道路管理者は仙台市、鉄道事業者がJR東日本。
同踏切道は2006年に都市計画道路北四番丁岩切線(幸町工区)の整備に合わせて現在の4車線の形に整備した。踏切種別は第1種。踏切の延長は9m。全幅は30.5mで、内訳を見ると車道部が16.5m、歩道部が両側にそれぞれ7mとなっている。交差角度は45度。第2次緊急輸送道路にも指定されている。
同踏切の自動車交通量は1日2万8922台。踏切自動車交通遮断量は8万6766台・時で、5万台・時を超えていることから自動車ボトルネック踏切として踏切道安全通行カルテに登録されている。
仙台市によると、歩行者や自転車の通行に支障はないものの、北四番丁岩切線の交通量が多く、踏切道前後の交差点が主要渋滞箇所にもなっており、朝・夕に慢性的な渋滞が発生している。
合同会議でJR東日本仙台支社設備部企画課の大沼国弘副課長は、同踏切に関し、「立体交差化に向けて今後、具体的かつ継続的に協議を進めていきたい」とコメント。引き続き関係者で協議・調整していくことにした。
神明踏切道は、JR仙石線の陸前高砂駅~中野栄駅間で、仙台市道中野寺前北上線が線路と交差する位置にある。踏切長は11m、踏切幅員が9m。1日当たりの交通量は、自動車が6131台、軽車両を含む歩行者等が988人。
仙台市によると、福室小学校や中野栄小学校の通学路になっているものの、踏切道内に歩道がなく、国道45号に近いことから車両の流入・流出が多く、歩車混在で歩行者が危険にさらされているため、安全確保が強く求められている。
市は対策方針案で両側歩道の整備による歩車分離対策を検討しており、踏切道内の調査測量を行って現況の課題を洗い出している段階。年度内に基本的な整備方針や計画を定め、踏切道改良計画書を提出できるようにJR東日本らと協議を進めたいと報告した。
志田踏切道は、大崎市古川飯川地区でJR陸羽東線と交差しており、すでに市が踏切前後の車道拡幅と歩道設置を進めている。市の工事は8月に完成予定。JRは2023年2月から踏切道の改良工事を進める予定。
会議ではこのほか、遮断機や警報機がない第4種踏切道に関し、廃止や遮断機などの整備に向けた取り組みを進めることにした。3月末時点で県内には第4種踏切道が24カ所ある。廃止に向けては、う回路などの整備が必要になるケースもあるため、国や道路管理者、自治体との協力が不可欠となっている。
なお、改正踏切道改良促進法(2021年4月1日施行)に基づいて国土交通省から改良すべき踏切道として指定された箇所においては、立体交差化や拡幅などの従来の対策に加え、周辺う回路の整備などの面的・総合的対策や、踏切道のバリアフリー化など、地域の実情に応じた幅広い対策が検討・実施されることになる。