年度内に公募開始 PFI方式で子育て支援住宅(つくばみらい市)
[2022/7/23 茨城版]
つくばみらい市はPFIの手法を用いた子育て支援住宅の整備を進めている。整備場所は旧わかくさ幼稚園跡地とし、集合住宅57戸分を整備していく。現在は内部で協議を行っており、9月にも実施方針案を公表する予定。12月には特定事業の選定と、事業費について債務負担行為を設定する。来年1月に募集要項案の公表を行い、その後、公募を行う流れとなる。順調にいけば、23年7月に事業者を決定し、25年1月の入居開始を予定する。
市はつくばエクスプレス開業以降、みらい平駅周辺地区で子育て世帯を中心に人口が増加している一方、それ以外の既存地域では人口が減少傾向にある。そこで市は既存地区の人口増加や地域活性化を目的に、PFI手法による子育て支援住宅を整備することを決定した。
この事業は市の土地を活用し、民間事業者が資金を調達して、住宅の整備と維持管理、運営を行っていく。事業費のうち、住宅建設費の概ね45%で国の交付金を活用し、残る費用は入居者からの家賃収入を財源に、市が民間事業者へ支払いを行う。なお、PFI事業支援業務は全国地域PFI協会(東京都中央区)が担当。同会は本県初となる境町でのPFI住宅の整備の際にも支援を行った実績があるという。
整備場所は板橋地内にある旧わかくさ幼稚園跡地の約1万3000平方m。同地に2棟の集合住宅を整備する。住宅はいずれも3階建てで、内部は3LDKに設定。戸数はA棟が27戸、B棟が30戸とし、合計57戸を予定している。
PFI住宅を整備する際には、あわせて広場の整備や隣接地への認定こども園の誘致も行い、快適な子育て環境を創出していく。このうち、広場についてはPFI事業のなかで整備を行う。市では現在、1920平方m程度の広場を想定している。既存の広場には桜が植えられているが、樹木の老朽化が進んでいる状況にあるという。桜の植え替えを実施するかどうかについては、事業者と協議を行った後に決定する予定となっている。
このほか、認定こども園の誘致については、PFI事業とは別途で、社会福祉法人などに誘致を行う見通しとなる。建設場所は集合住宅の北側の用地3060平方mを想定している。施設の規模や定員などについては今後、検討していくという。今後のスケジュールとしては、24年4月に建設を開始し、25年4月の開園を予定する。
なお、建設地にある旧わかくさ幼稚園の施設については、PFI事業のなかで解体工事を行っていく。園舎の構造・規模は木造平屋1224平方m、1951年建築となる。
PFI住宅に関連して、市は3日に板橋コミュニティセンターで住民説明会を開催した。参加者からは大きな反対の意見はなかったものの、PFI住宅の整備にあわせ、周辺地域の下水道や雨水排水の整備などを要望する声があったという。
今後のスケジュールは9月に実施方針案を公表する。12月には特定事業の選定を行う。あわせて、PFI住宅の事業費を債務負担行為に設定し、12月議会に提案する。議会の承認を得た後、23年1月に募集要項案を公表し、その後公募を行う。同年7月に事業者を決定・公表し、24年12月に子育て支援住宅の完成、25年1月の入居開始を予定する。