CCUSの検討を オンラインで事業連絡協議会(関東整備局と県)

[2022/7/16 茨城版]
 国土交通省関東地方整備局(廣瀬昌由局長)と県は14日、県事業連絡協議会を開催した。新型コロナウイルス感染症対策のため、昨年に続いてオンライン形式での実施となった。協議会では整備局や関係機関、県が計画するそれぞれの県内事業などについて、情報共有や意見交換を行った。整備局は主要事業や各種施策の概要を説明するとともに、建設キャリアアップシステムについて、市町村でも積極的な検討に向けて協力を要請。これに対し、県は直轄事業に触れたうえで、早期の開通を求めた。

 この協議会は、県と関東地方整備局、水資源機構、東日本高速道路など、関係機関の相互連絡を目的に、所管する県内の主要事業や施策などに関する概要説明や意見交換を行うもの。今回の会合には、整備局の関係部長や管内の事務所長が出席する一方、県からは土木部の田村央部長や担当課長のほか、政策企画部、県民生活環境部、営業戦略部の幹部らが出席した。

 議事を前にあいさつした関東整備局の小林賢太郎企画部長は、直轄と補助で計1兆7604億円と前年度並みの大型予算を確保した本年度事業に対し、「しっかりと事業推進を図っていきたい」と述べた。また、改正労働基準法に基づき、24年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用されることに対し、「建設現場でも働き方改革は待ったなしの情勢」と語り、国と県が連携し、建設業の働き方改革と生産性向上に努めていく意向を示した。

 続いて、田村部長は、県内で進められている広域交通ネットワークや防災減災、国土強靱化への取り組みが重要だと指摘。特に、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」については、早期の効果発現や速やかな発注と円滑な進行に努めていくための協力を訴えた。続けて、「本県の社会資本整備を着実に進めるには、皆さまの理解と協力が欠かせない」として、引き続き特段の配慮を求めた。

 議事ではまず、関東整備局の各担当部長が本年度の主要事業や各種施策について説明。河川事業では久慈川と那珂川の緊急河川プロジェクトや霞ヶ浦導水事業を、道路事業では東関道水戸線(鉾田~潮来)や圏央道の4車線化(久喜白岡~大栄)、港湾事業では鹿島港外港地区国際物流ターミナル整備事業などを推進するとした。また、主な施策として、インフラ分野のDXやICTの普及促進に向けた取り組みを説明した。

 このうち、河川事業では、県が策定した二級河川も含めた流域治水プロジェクトについて、ソフト対策などを合わせた取り組みを進めていく意向を示したほか、霞ヶ浦導水事業では、施工中の石岡トンネルを推進し、残る工区も含めて早期の効果発現を目指すとした。建政部の施策では、CCUSについて、23年度からあらゆる工事でCCUSの完全実施を目指した取り組みを進めていることを説明しながら、市町村などの地方公共団体でも積極的な検討などに向けて協力を求めた。

 本県からは、田村部長が県内で進められている直轄事業などについて説明。広域交通ネットワークの整備に対しては、県も「アクセス道路の整備などを進めていきたい」として、早期の開通を訴えた。一桁国道として整備が遅れている国道6号に対しては、「本県としても機能強化は不可欠」と重要性を指摘し、県と市町村で用地取得に協力しながら一層の事業推進を訴え、小美玉道路については早期の事業着手に期待を示した。

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