下水道計画の改定へ 雨水幹線整備や施設耐水・耐震化(宇都宮市上下水道懇話会)
[2022/7/14 栃木版]
宇都宮市は12日、市上下水道局庁舎で第4回上下水道事業懇話会(座長・太田正作新学院大学名誉教授)を開催した。今回の会議では、第2次市上下水道基本計画改定計画の骨子案が提示された。それによると、浄水場、配水管、水再生センター、汚水管渠の改築や更新などを進めていくほか、雨水幹線の整備、施設の耐水化や耐震化、省エネ対策などを主な施策に挙げている。
市は、2016年度に策定した第2次市上下水道基本計画について、上下水道事業を取り巻く社会経済環境の変化や、これまでの施策の達成状況を踏まえた改定計画(後期計画)を策定する。計画期間は、2023年度から27年度までの5年間とする。
今後の計画としては▽安全で安心な水道水の供給▽下水の適正処理の推進▽施設の適正な管理および機能向上▽災害に強い上下水道の確立▽最良なサービスの提供▽環境負荷低減の推進▽健全な経営の推進-を施策の柱とした。
このうち「安全で安心な水道水の供給」では、水道水源の保全、水道水の適正管理、効率的な水運用体制の確立を実施。「最良なサービスの提供」では、お客様サービスの向上や戦略的な広報広聴活動を推進する。
「健全な経営の推進」では、事業者との連携強化、アセットマネジメントによる事業運営、事業者と連携した効率的な経営、新手法による事業改革などに取り組む。「下水の適正処理の推進」では、適正使用に向けて下水道接続推進や放流水水質の適正管理を行い、汚水管渠や水再生センターの整備も進めていく。
「施設の適正な管理および機能向上」では、浄水場・配水管で適正な維持管理、改築、更新を実施。水再生センターや汚水管渠は適正な維持管理、機能向上、改築、更新を進める。
「災害に強い上下水道の確立」では、危機管理体制の充実、基幹施設や基幹管路の強靭化のほか、総合的な雨水対策で「流す」「貯める」「備える」の取り組みを推進する。また雨水幹線の整備、施設等の耐水化、計画的な施設の耐震化などを行う。
「環境負荷低減の推進」では、カーボンニュートラルの実現に向けて省エネ対策、創エネ、人材・緑の育成を推進する。環境配慮では、下水道資源の有効活用に取り組んでいく。
今回の会議では、基本計画の前期計画期間(18~22年度)の取組状況も確認した。18年度から比較して、22年度には水道普及率が98%を維持したほか、公共下水道接続率が94.3%から96.9%に、水道有収率が88.2%から90.6%に、下水道有収率が68%から64.2%に、水道基幹管路耐震適合率が49.3%から59.6%に、下水道重要幹線管路耐震適合率が76.2%から82.9%に、公共下水道雨水幹線整備率が55.1%から55.3%になる見通しとしている。