駅前再開発を追加 国・県予算編成要望に39項目(水戸市)

[2022/7/14 茨城版]
 水戸市はこのほど、来年度の国・県予算編成に対する要望事項をとりまとめ、市議会に報告した。要望事項は昨年度と比べ、項目数が1項目減って39項目、事業数が9事業増えて125事業となった。建設業に関連した新規要望の主なものには、「水戸駅前三の丸地区第一種市街地再開発事業に対する補助」や「給食棟の長寿命化改良事業に係る支援」、「植物公園の整備に対する補助」、「通学路緊急対策(通学路整備)浜田7号線外2路線ほか5路線の整備に対する補助」などを盛り込んでいる。

 国・県の予算編成に対する要望は、要望した補助事業費を確保して計画的に事業を進めることを目的に、毎年7月ごろの各省庁の次年度概算要求が始まる時期に行っている。要望活動では、高橋靖市長や市幹部職員が、公共事業費や補助金の確保、事業への早期着手を陳情していく。

 このうち、県に対する要望は近く大井川和彦知事へ要望書を提出する。国に対する要望については、県選出国会議員や関係省庁の大臣・局長クラス、国土交通省関東地方整備局などに対して行う予定。ただし、新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえ、要望時期については現在調整中だという。

 要望事項の内訳は、市事業分が29項目71事業、県事業分が16項目51事業、国事業分が9項目24事業となった。要望先は重複を含めて、国に対する要望が27項目77事業、県に対する要望が32項目97事業となる。

 要望内容のうち、新規分をみると、水戸駅前三の丸地区第一種市街地再開発事業では、整備に対する補助を要望した。この事業は水戸駅北口に県都水戸の玄関口にふさわしい市街地活性化に寄与する交流拠点づくりを図るもの。区域面積は約1haとし、同地にマンションと商業・業務棟、立体駐車場などを建設していく。事業期間は26年度までとし、総事業費は103億8000万円に設定。今回の要望では、23年度に行う既存施設の解体工事費や補償費など合計4億1890万円のうち、国費として1億3000万円の補助を求めている。

 教育環境の充実に係る支援では、これまでに学校施設の長寿命化改良事業や大規模改造に加え、新たに給食棟の長寿命化改良事業に係る支援を要望した。これは老朽化対策の一環として、安全で安心な学校給食の安定的かつ持続的な提供を目的に実施する。整備内容としては、給食室の長寿命化とドライ化を進めていく。

 社会資本総合整備事業(都市公園事業)では、本年度から新たに植物公園の整備に対する補助を追加した。同園では本年度から第2期リニューアルに着手する。内容としては、小吹清掃工場の解体・撤去後、新たな入口と駐車場整備を進めるほか、園内景観の整備更新、民間活力導入などを予定。23年度には大塚池公園と七ツ洞公園、東部公園、保和苑、植物公園で合計11億6950万円の整備費を試算しており、このうち国費として5億8475万円の補助を求める。

 通学路緊急対策(通学路整備)では浜田7号線外2路線ほか5路線の整備に対する補助を求めた。この事業は昨年の千葉県八街市での事故を受けて実施した通学路の調査をもとに、整備を行うもの。事業期間は26年度までとし、総事業費は10億3880万円に設定した。23年度には通学路整備に1億6000万円を試算しており、このうち国費要望額は8800万円となる。

 「水道施設の再構築事業などに係る財政支援」では、老朽化した水道施設の更新や災害対策への支援を要望。水道施設の多くは昭和40年代から50年代にかけて建設され、老朽化が進んでいる。今後は計画的な更新に加え、広域連携の推進、次世代に向けた水道施設の再構築の検討などを進めることが課題となっている。しかし、給水人口の減少や節水機器の普及などにより、給水収益の減少傾向が続くことから、財源の確保が厳しい状況にあるという。そこで、安全性向上のため、財政支援を要望した。

 このほか、建設業関連の新規要望としては、「那珂川水系流域治水プロジェクトの促進」や「市道国田11号線の整備」、「交通安全対策補助の確保」などを盛り込んでいる。

 今回はこれらの要望に加え、新型コロナウイルス感染症および原油価格・物価高騰への対策に係る要望を行う。要望内容には、▽新型コロナウイルス感染症への対応▽原油価格・物価高騰への対応▽地方自治体に対する継続的な財政支援──となる。

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