基本計画を公告 海浜運動公園の改修に着手(神栖市)

[2022/7/13 茨城版]
 神栖市は4日、「令和4年度市海浜運動公園改修基本計画策定業務」の一般競争・郵便入札を公告した。改修の対象となるのは、同園内にあるテニスコートとサッカー場とし、ナイターコートの増設やクラブハウスの整備、芝の張替、屋根付きスタンドの設置などを想定する。具体的な改修の内容については、基本計画内で決定していく。開札日は29日で、予定価格は446万円とし、履行期限は23年2月28日に設定。入札書は15日から27日まで受け付ける(公告の概要は6日付公告欄に掲載)。基本計画策定後は、順調に進めば23年度に基本・実施設計、24年度に着工する見通しだ。

 市では昨年度に「市の体育施設のリニューアルや施設の整備による活性化方策に関する調査研究」を策定。これは、市内にある約40カ所の公共スポーツ施設について、合宿や地域スポーツの拠点として、整備・活用を推進するにあたり、全国の先進的動向を踏まえ、各施設の整備の考え方を提示したものとなる。

 今回は調査研究の内容のうち、海浜運動公園を対象として改修に向けた基本計画の策定に着手する。海浜運動公園は温水プールやテニスコート、サッカー場、野球場、多目的広場など、野外を中心に多くのスポーツ施設を有する運動公園。特にテニスコートは、砂入り人工芝コート24面を有し、国内でも屈指の大規模テニスコートとなる。また、サッカー場2面のうち1面は18年に高麗芝からティフトン芝に変更。充実した施設を持つ同園を「スポーツをするなら神栖」の拠点として、トップスポーツも含めた競技者の国内大会や合宿としての利用を促進するためにこのほど、改修を行い、競技施設の充実を図ることとなった。

 基本計画の業務内容としては、▽前提条件の整理▽整備コンセプトの整理▽整備方針の検討▽関係団体との検討▽各施設の機能・規模の想定▽施設設置計画の検討▽概算事業費の算出▽実現方策の検討──などを行う。

 なお、調査研究では海浜運動公園の整備対象として、テニスコートとサッカー場、野球場の改修について言及している。ただし、市民からより要望の多かったテニスコートとサッカー場の改修を優先するため、今回の基本計画では野球場の改修を見送った。

 調査研究によると、テニスコートではナイターコートの増設とクラブハウスの整備、大型テントの整備を明示した。テニスコートは現在、24面が整備されており、このうち、ナイター練習が可能なのは1ブロック4面のみとなる。そこで、日没時間による大会運営への影響の排除や、平日の市民利用ニーズに応えるため、照明設備の付いたコートを1ブロック4面分増加する。

 クラブハウスについては、新施設を1棟整備する。これは現在のクラブハウスが男女それぞれ10人程度しか利用できない規模であり、テニスコートの面数に見合った大会の参加者数に満たない状況にあるため、規模の拡大を行う。新クラブハウスは選手専用とし、規模は延べ床約300平方m、内部には約20人収容のロッカールーム4室を配置していく。

 大型テントは雷や雨から一時的に避難する建物が不足していることを受けて設置する。規模は約300平方m、150人程度の利用を想定している。

 概算費用については、照明が5000万円、クラブハウスが9000万円、大型テントが3000万円と試算している。

 サッカー場では、グラウンドの芝の張替と屋根付きスタンドの整備を計画。2面あるコートのうち、1面は2年前にティフトン芝に更新したが、1面は高麗芝のままであり、冬季には枯れた状態になっている。ユース年代の国際交流試合や大会キャンプ地としての利用を促進するため、高麗芝のコートをティフトン芝または人工芝への張替を行う。あわせて、下地土壌の入れ替えや排水トレンチなどの整備も実施していく。

 屋根付きスタンドは、観客席や荒天時の避難にも利用可能にするために設置する。各コートサイド(計4セット)を整備し、1カ所あたり約200人が利用可能なものを想定している。

 概算事業費はコートのティフトン化が1億5000万円、屋根付きスタンドの設置費が8000万円と試算した。

 参加資格は建築関係建設コンサルタント業務または土木関係建設コンサルタント業務に登録されていることなどを求めている。入札書は15日から27日まで受け付ける。

 なお、今回の基本計画から除外となった野球場では、▽サブ球場(硬式)の整備▽休憩施設の整備▽既存球場の設備改修──などを提案。野球場の改修については別途、検討していく予定だ。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.