歩道専用橋を新設検討 鹿落坂橋の予備設計(宮城県 仙台市)
[2022/7/9 宮城版]
仙台市は、市道向山1号線鹿落坂橋(太白区)の歩道整備に向けた予備設計をまとめた。地山に沿って架設された現道の橋梁は拡幅せずに現道横に歩道専用の橋を新たに建設する。橋長は約136m、幅員は約4.8m。崖地での道路新設・拡幅に実績があるメタルロード工法の採用を検討する。詳細設計は今後、太白区役所が発注する。15径間の既存橋梁は耐震化が必要なため、耐震化工事を先行し、新橋梁の建設工事に着手する。
鹿落坂橋は、広瀬川沿いの地山に沿って架設され、法面擁壁に橋脚を立て河川に張り出すような構造で1966年に整備された。構造は15径間の単純PCプレテンション床版I桁橋。橋長は約137m。幅員7.5m。歩道が無く急勾配のため、これまで歩道整備に向けた調査と予備設計、河川協議を進めてきた。
予備設計では、既存橋梁の負荷を減らすため、現道の河川側に歩道専用道の橋を建設する案でまとめた。橋長は約136m、幅員は約4mに転落防護柵などを設置した全幅員は約4.8mで計画する。崖地で急傾斜のため、架設工法は擁壁に鋼管杭を打ちながら床版を架設していくメタルロード工法の採用を検討する。
同工法は、急傾斜面での道路新設などに最適な工法で、市道高畑定義線高畑工区の道路改良事業で採用した実績がある。最終的な架設工法は今後の詳細設計と河川協議を踏まえて決定する。詳細設計は本年度、太白区役所が発注し、架設工法や事業期間、概算工事費などを検討する。
既存の鹿落坂橋は、健全度「III」判定による上部工の補修工事と橋脚など下部工の耐震化工事を実施する。22年度に設計着手し、今後、業務が発注される。現地は崖地で狭あいなため、耐震化工事を先行し、歩道専用道の橋梁架設工事と工事期間を分けて行う見通し。
歩道専用道の橋梁架設は、市の国土強靭化地域計画に事業期間が22~29年度。概算事業費は約10億円を盛り込んでいる。いずれも予備設計前の試算で、今後の資材高騰の影響や詳細設計、河川協議で変更が見込まれる。橋梁の詳細設計後は河川協議を踏まえて事業を進める。