笠間に産廃処理施設 第1回県都市計画審議会を開催

[2022/7/8 茨城版]
 県都市計画審議会(会長・中川喜久治県商工会議所連合会副会長)は5日、水戸市内で本年度の第1回審議会を開催した。今回は付議案2件を審議。笠間市と古河市において、廃棄物処理施設の敷地の位置に関する都市計画上の支障の有無を「支障なし」と決定。内容としては、笠間市では光陽産業(静岡県御殿場市、高橋勇代表取締役)が新たに産業廃棄物処理施設を整備し、古河市では田口金属(東京都新宿区、田口憲昭代表取締役)が既存の産業廃棄物処理施設の拡充を行う。

 今回の審議を付議案順に見ると、都計諮問第1号では、光陽産業から笠間市内に廃棄物処理施設新築の申請があったことを受け、その敷地の位置に関する都市計画上の支障の有無について審議した。

 光陽産業は静岡県内で廃棄物の焼却処理を営んでいる。今回は事業拡大のため、笠間市内に産業廃棄物と一般廃棄物の焼却処理を行う中間処理施設を新規に整備することになった。

 建設場所は笠間市安居字上平地内2968-1ほかとし、敷地面積は1万9902平方m。内部には、焼却棟(S造地下1階地上3階建て、延べ2747平方m)や破砕機械棟(S造平屋760平方m)、灰処理棟(S造2階建て、延べ432平方m)、管理棟(S造2階建て、延べ752平方m)、休憩棟(S造平屋27平方m)、誘引送風機棟(S造平屋91平方m)、ドラム缶運送装置建屋(S造平屋53平方m)、多目的処理施設室建屋(S造平屋24平方m)などを配置。施設の合計床面積は約4889平方mとなる。

 処理能力については、一般廃棄物処理施設として、1日あたり90tの焼却施設を2基配置する。産業廃棄物処理施設には1日あたり90tの焼却施設2基に加え、1日あたり約282tの破砕施設1基を設置していく。

 審議では、施設の雨水排水対策や排水ルート、水質の管理などについて質問が出た。また、同施設は廃棄物の有効利用とごみの減量化に寄与するものであり、騒音や振動などに対する環境保全対策が講じられていることを評価。さらに、笠間市の都市計画上において特に支障はないとしている。

 都計諮問第2号では、田口金属から廃棄物処理施設新設の申請があったことを受け、その敷地の位置に関する都市計画上の支障の有無について審議した。

 田口金属は07年から今回の計画地で産業廃棄物処理業を営んでいる。同社は今後、リサイクル処理の社会的需要の増加が見込まれることを踏まえ、リサイクルの質と量の向上を図るため、施設内に新たに破砕機の設置を計画した。

 整備場所は古河市丘里10-3の敷地1万8883平方mとなる。処理能力は、ごみ処理施設が1日あたり約152tの施設(金属くずほか)。廃棄物処理施設で1日あたり約62tの破砕機(廃プラ類)と、1日あたり約152tの破砕機(がれき類)の設置を予定する。

 審議では、施設の拡充による周辺道路の交通への影響などについて質問が出た。また、同施設は廃棄物の有効活用やごみの減量化に寄与するものであり、騒音や振動などに対する環境保全対策が講じられている計画で、周辺への影響も少ないと評価。敷地の位置は古河市の都市計画上、特に支障がないとしている。

 なお、今回の内容は同日付で県知事に答申している。

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