次期クリーンセンター 早期建替へ検討急務(市川市)
[2022/7/7 千葉版]
市川市は、次期クリーンセンターについて、早期の建て替えに向け準備を進める方針を明らかにした。事業手法はDBO方式。事業期間は、事業者選定に2年、建設に5年半を想定、事業再開から完成まで約8年を要することから、最短で2030年の稼働を見込んでいる。事業者選定にあたっては、事業者選定アドバイザリー業務を委託する方針だ。
老朽化したクリーンセンターの整備事業については、2016年1月に施設整備基本構想、17年3月に施設整備基本計画を策定。24年度の稼働を目指していたが、災害復興や東京五輪の影響で建設費が高騰したことなどを理由に、18年11月、建設費の動向を見定めるため、3年程度事業を延期することを決定した。
基本計画によると、次期施設の建設計画地は、既存のクリーンセンターの南側の敷地。施設規模は、エネルギー回収型廃棄物処理施設が1日当たり396t(132t×3炉)、マテリアルリサイクル推進施設が5時間当たり21t。
概算事業費は計288億8869万円。内訳は、ごみ焼却処理施設が281億1560円。不燃・粗大ごみ処理施設が7億7309万円。また、ストーカ炉を採用した場合の今後20年間の点検補修整備費として92億5471万円を見込んでいる。
基本構想・基本計画の検討業務は、パシフィックコンサルタンツが担当。18年5月に、事業者選定アドバイザリー業務の委託事業者として同社を選定したものの、19年度の業務については、事業延期に伴い契約を解除した。
市では、早期の建て替えに向け、準備を進める方針を表明。施設規模については、最新の将来人口推計や、ごみ処理量の計画値をふまえて、適正な施設規模に再設定する必要があるとしている。
6月15日にクリーンセンターを視察した田中甲市長は、「修繕を繰り返して、なんとか維持している状況を確認し、建て替えは待ったなしと感じた」と報告。
「建て替え規模を考える時には、ごみの減量化と再資源化をどこまでできるかが最大の問題になってくる」と指摘し、家庭ごみ有料化を含む審議会からの答申に言及。「建て替えというタイミングを逃すことなく、減量化や再資源化、有料化の問題についても、検討を進めていく時期に来ている」と話している。