千渡・中谷地区で設計 農業農村整備事業 ため池の劣化状況を調査(県農地整備課)

[2022/7/6 栃木版]

 県農地整備課は、2022年度予算における農業農村整備事業の実施地区と配分額をまとめた。このうち、農地整備事業は県営23地区に事業費23億3613万円を見込む。また、水利施設整備事業は県営16地区、団体営7地区に8億7108万円、農村地域防災減災事業は県営4地区、団体営15地区に7億1014万円を配分した。新規地区は、農地整備事業が千渡地区(鹿沼市)と中谷地区(野木町)の2地区で、水利施設整備事業は基幹水利施設ストックマネジメント事業の那須野原地区(大田原市、那須塩原市)など17地区。農村地域防災減災事業は、農業用ため池の豪雨耐震劣化状況調査など15地区を予定している。 =各事業の実施地区および配分額は後日掲載

 農地整備事業では、担い手への農地集積・集約化やスマート農業に対応した農地の大区画化・汎用化などを推進する。新規は経営体育成型で千渡地区と中谷地区の2地区で、本年度は換地・設計を実施する。事業費は千渡地区に5100万円、中谷地区に7000万円を配分している。

 千渡地区は58.7haを対象に、区画整理を実施して標準区画50aの大区画化を進めるほか、排水路や暗渠排水を整備して水田の汎用化を図る。22年度から2カ年で測量設計を行い、工事は24年度から28年度までの5カ年で実施。換地処分まで含めて8カ年の事業期間を予定し、総事業費は13億8000万円を試算している。

 また中谷地区は、71.4haの区画整理を計画し、整地のほか道路工や水路工を実施して標準区画1haの大区画化を進める。このほか、暗渠排水工と客土工を各42.0haで実施し、水田の汎用化を図る。22年度は測量設計を行い、工事は23年度から27年度まで5カ年で実施する。事業期間は換地処分まで含めて7カ年で、総事業費は16億4000万円を試算する。

 このほか継続事業では、芳賀町北部第2地区(芳賀町)で圃整工事20haを計画し、3億3913万円を予算化。また、小泉・本沼地区(益子町)は圃整工事5haに2億3000万円、下稲葉地区(壬生町)は圃整工事9haに2億9500万円、薬師寺・柴地区(下野市)は圃整工事8haに1億9700万円、大谷東部地区(小山市)は圃整工事10haに1億8700万円などを重点配分している。

 水利施設整備事業では、農業用水利施設の計画的かつ効率的な整備・更新を推進する。このうち那須野原地区(大田原市、那須塩原市)では、深山ダム管理棟の更新に1億8336万円を計上した。管理棟の老朽化に伴い、24年度までの2カ年で新施設を建設する。新たな管理棟はRC造3階建て、約699平方mの規模で、設計はイケダ設計事務所(那須塩原市)が担当している。

 新規事業はこのほか、基幹水利施設ストックマネジメント事業で県営9地区、地域農業水利施設ストックマネジメント事業で団体営6地区が機能診断と保全計画策定を行う。農業水利施設保全合理化事業は、大岩藤地区(栃木市)で大岩藤土地改良区がポンプ修繕を実施する。

 継続事業は、水利施設整備(農地集積促進型)の部屋南部地区(栃木市)で樋管工に1億2065万円、同じく船生地区(塩谷町)の用水路工事に2億5000万円などを配分した。

 農村地域防災減災事業は農業水利施設の整備・補修や、防災重点農業用ため池の防災対策を推進する。県で掘抜用水堰(那須烏山市)の農業用河川工作物応急対策事業に着手するほか、震災対策農業水利施設整備事業で宇都宮市が叶ため池のハザードマップを作成。県土連のとちぎため池保全サポートセンターに対する運営費補助も行う。

 また農業用ため池防災減災対策推進事業では、栃木市や那珂川町など11市町が14地区58カ所の豪雨耐震劣化状況調査に着手する。防災重点農業用ため池緊急整備事業は、宇都宮市が高松赤坂溜のため池廃止工事に向けた実施設計を策定する。

 継続事業では、農業用河川工作物応急対策事業で蟹川堰(下野市、小山市)の取水堰工事に5660万円、ため池等整備事業で赤川ダム(宇都宮市)の取水施設補修に7200万円、東山田溜(小山市)のため池工事に5200万円、用排水施設整備事業で古用水3地区(宇都宮市)の用水路工事に7700万円を計画している。

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