[2022/7/1　宮城版]
　宮城県登米市は6月30日、公募型プロポーザルの手続きを進めている「米山地区公共施設複合化整備事業基本計画策定および基本設計業務」について、優先交渉権者にNTTファシリティーズ(東京都港区)と関・空間設計(仙台市青葉区)、工作室齋藤彰一級建築士事務所(仙台市泉区)の3社によるJVを特定した。総合支所や公民館、小学校、児童館などを複合化する「多世代交流拠点」の建設に向けて、基本設計などを取りまとめる。

　プロポーザルは4月下旬に公示し、企画提案を受け付けた。市は現時点で応募者数を明らかにしていない。6月27日にプレゼンテーションなどの審査を行った結果、評価点95.5点を獲得したNTTファシリティーズJVを優先交渉権者に特定した。次点は86.1点を獲得した三上建築事務所(茨城県水戸市)だった。

　市は同JVと見積もり合わせなどの協議を行い、7月上旬に業務委託契約を締結する考え。委託額の上限は、税込み6927万0300円に設定している。

　米山地区にある総合支所や体育館、公民館などの公共施設が老朽化しているため、市は総合支所がある米山町西野字的場ほかの敷地2万0955平方ｍに複合施設を建設することにした。その際、児童数の減少によって統合することになった新小学校も、複合施設に含める。老若男女が集う多世代交流拠点を建設する。

　現時点では総合支所、公民館、体育館、小学校(体育館、校庭、プール含む)、児童館、車庫兼倉庫、消防ポンプ車置場などを複合化し、延べ1万平方ｍ規模の施設を建設する考え。NTTファシリティーズJVにはまず、これらの建設に向けて基本計画をまとめてもらい、その上で基本設計を作成してもらう。履行期間は、基本計画が12月28日まで。基本設計が2023年3月28日まで。

　NTTファシリティーズと関・空間設計の2社は、2021年度にJVを組んで基本構想策定業務を請け負った。

　市は多世代交流拠点の整備運営を、DBO方式で選定する民間事業者に委託したい考え。基本設計を取りまとめる段階で、本年度中に整備手法を決定する。DBO方式で事業を推進する場合は、2023年度に整備運営事業者を選定し、実施設計から事業をゆだねる。現時点で工事費は約41億円を見込んでいる。統合小学校の開校を2026年4月に設定していることから、それまでに施設を建設する。