新たな息吹を起こす 病院の建て替えなど推進(匝瑳市・宮内康幸市長インタビュー)

[20220624 千葉版]

これからの匝瑳市について語る宮内市長

これからの匝瑳市について語る宮内市長

 新たな市政の船出から、約4カ月を経た匝瑳市の宮内康幸新市長。建設関連では前市政からの懸念事項とされている国保匝瑳市民病院の建て替えだけでなく、銚子連絡道路の延伸に伴うインターチェンジ(IC)周辺の産業用地整備、消防署の建て替え候補地選定などが控えている。地域の特色も活かして、いかにして活気あるまちづくりを進めていくか、これからの展望を聞いた。

──あらためて、新市長に就任した感想を

 「多くの市民の方に投票していただき、大きな期待を受けている身として、感謝の気持ちを保ちつつ、新たな息吹を起こすことができるよう、市民と一体になった市政に尽力していく所存だ。病院の建て替え整備など、市民の強い思いに応えていけるよう、できることから一つ一つ取り組んでいければと思う」

──老朽化が懸念されている市民病院整備の、現時点での考えは

 「市民病院については、新型コロナウイルスの影響もあり、建て替え整備に向けて検討しているところだ。現状では雨漏りや空調の不備など外来はとにかく入院されている方にとっては厳しい状態と聞いている。

 太田安規前市長が整備を進めようとした際には、経営的に厳しかった面もあるが、今は黒字とまではいかないまでも経営が改善してきているため、整備に向け、検討を進めていきたい」

──建設関連では銚子連絡道路の旭~匝瑳区間の事業化や、消防署の建て替えなども控えている

 「銚子連絡道路については、2023年度に匝瑳市区間までの開通が計画されており、八日市場IC(仮称)の設置や、成田国際空港の機能拡大にともない大きな経済効果を期待しているところだ。多くの方が、市を訪れてくれるきかっけになってくれればと思う。

 今年度に実施する新たな〝産業用地〟の創出に関連する事業により、地元産業を活かした地域活性化や雇用の拡大を図っていければと考えている。

 消防署の建て替えは、匝瑳市横芝光町消防組合の方で建設事業は進めるが、事業場所は今後選定することとなる。現時点では、まだ明確に回答できないものの、地域の安全・安心の確保に向けて、中長期的視点をもって、多くの候補地の中からしっかりと整備場所を決めていきたい」

──市と、市周辺自治体を取り巻く環境や現状について

 「隣の旭市にはイオンタウンがオープンするなど勢いを感じるし、横芝光町や多古町では空港関連の施設整備が進められるなど、近隣の市町では賑わいの創出に向けた事業が進められている。当市は周りの自治体に比べると元気がないと思われてしまっているのは残念である

 そんな中、新たな視点の一つが、茨城県常総市の圏央道常総IC周辺整備として進められている〝アグリサイエンスバレー〟構想であり、匝瑳が持つ魅力となる農業を活用する点で、ヒントになればと考えているところだ」

──地元の建設業関連団体らとの協力関係や認識・あり方について

 「地元の建設事業者は普段から、災害時の備えを常にしていただいており、市としては、とても頼りにできる存在だと思っている。昨今は、社会情勢の影響を受け、コストの上昇や後継者問題など苦しい状況もあるかもしれないが、地元の企業にはこれからも、しっかりと地域雇用の場として、成長していっていただきたい」

──今後の展望を

 「市政を市民と一緒に進めていく中においては、コミュニケーションには力を入れてやっていきたいと考えている。幼少から生まれ育ったこのまちが大好きなので、その特色を活かしたまちづくりを進めていければ。

 匝瑳ならではの農業や水産業、日本有数の植木など、地域が持つポテンシャルを最大限に活かしPRをしていくことが、市長としての責務だ。銚子連絡道路の進ちょくなども期待しつつ、新たな視点やアイデアにもとづく事業を進めていくことで、〝元気がある〟と思われるぐらいにイメージをプラスに転じていきたい」

【プロフイル】
みやうち・やすゆき。1974年4月6日生まれの48歳。匝瑳市八日市場地区出身。93年に県立東総工業高等学校を卒業後、建物設備に関する民間企業に入社。2014年には、匝瑳市市議会議員選挙で初当選し、17年には産業建設常任委員会委員長、18年には文教福祉常任委員会委員長、20年には総務常任委員会委員長と改革等特別委員会委員長を歴任した上で、今年2月の市長選挙を制して現職に就任している。また、JAちばみどり第7期理事や市の倫理法人会6代目会長も務めた。釣りやキャンプなどアウトドアを趣味とし、学生時代には陸上部で短距離にも打ち込んでいたという。座右の銘は「粉骨砕身」。

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