3区画の予約協定締結 芳賀第2工業団地 ATJ、エヌエヌ商事、山王テックと(県企業局)
[2022/6/25 栃木版]
県企業局(北條俊明局長)とオートテクニックジャパン(芳賀郡芳賀町、髙田隆幸代表取締役社長)、エヌエヌ商事(宇都宮市、七井伸之代表取締役社長)、山王テック(埼玉県和光市、吉岡勇代表取締役社長)の内定企業3社は23日、県庁北別館の会議室で芳賀第2工業団地第2期分譲に係る予約協定調印式を執り行った。今後は2022年12月中旬にも分譲契約の締結と土地引渡しを行って、それぞれ研究施設や物流倉庫などを整備していく。調印式のあとは、福田富一県知事や見目匡芳賀町長らと懇談した。
調印式には、オートテクニックジャパンの髙田社長と買受け企業で同社の完全親会社となるニッコンホールディングスの黒岩正勝代表取締役社長、エヌエヌ商事の七井社長、山王テックの吉岡社長らが出席。県企業局からは平山浩之次長などが、芳賀町からは建設産業部商工観光課の大根田淳一課長が出席した。
互いに契約書を交わしたあと、平山次長は「芳賀第二工業団地の第1期分譲につづき、今回の3社の立地で本県の産業振興と地域経済のさらなる発展に大きく寄与するものと確信している」と話し、将来性豊かな企業の立地に改めて感謝した。
ニッコンホールディングスの黒岩社長は「自動車業界は100年に1度の大きな変革期にあり、そういう中で栃木県や芳賀町に貢献できるように頑張っていきたい」とあいさつ。オートテクニックジャパンの髙田社長は「急激に変化する自動車業界・モビリティ業界に追従するため、この分譲地でさらなる事業拡大を目指したい」と話した。
エヌエヌ商事の七井社長は「これを機に、今後は雇用の安定を図るなど、生まれ育った芳賀町に恩返ししていきたい」と述べ、山王テックの吉岡社長は「栃木の拠点は人を増やして強化している。これからも仕事を通じて、栃木県の産業の成長と地域に貢献できる企業を目指していく」と決意を表した。
芳賀町下高根沢地内に位置する芳賀第2工業団地は、芳賀・高根沢工業団地や芳賀工業団地に隣接し、団地面積22.7㌶、分譲面積17.7㌶の規模。1街区から4街区のうち、第1期分譲で2街区の4.62㌶を日新が、3街区の5.55㌶を東洋濾紙がそれぞれ取得している。
今回の第2期分譲は、1街区(5.59㌶)をニッコンホールディングスが買受けてオートテクニックジャパンが操業する。また、4―1街区(0.95㌶)はエヌエヌ商事、4―2街区(0.97㌶)は山王テックがそれぞれ取得する。
オートテクニックジャパンはニッコンホールディングスのグループ企業で、各自動車メーカーやサプライヤーの2輪、4輪および原動機製品の研究開発、品質保証のサポートを行っている。本社は芳賀町にあり、栃木開発センターや栃木テクニカルセンターも芳賀台に立地している。
今回は、自動車の自動運転など新たな技術開発を見据えて、芳賀第2工業団地1街区に研究開発や技術者育成の拠点を設ける。施設整備は、第1期から4期に分けて事業を進めていく計画。第1期は延べ8546平方㍍のオフィス棟と延べ7151平方㍍の研究棟を建設する予定で、その後も概ね5年スパンで施設の拡充を図っていく。
エヌエヌ商事は、宇都宮市の清原工業団地に本社を置く総合物流企業で、今回は4―1街区に新たな物流倉庫を建設する。施設はS造3層で延べ5000坪の規模を想定し、ロボットによるオートメーション化を推進する。取り扱う品目は、食品や家具、家電などを想定している。
物流倉庫は2年以内にも着工し、2024年度中か25年春にも供用を開始する計画。なお、従業員の通勤をはじめ、清原工業団地の本社と新たな物流倉庫との往来にLRTを積極的に利用するなど、環境負荷の軽減にも取り組んでいく。
山王テックは、1981年に埼玉県和光市で創業し、86年にホンダの4輪の図面やデータの管理、特許などの仕事をしてきた関係で宇都宮市に進出した。90年には、芳賀工業団地に東日本事業所を設置している。芳賀第2工業団地の4―2街区には、研究所の建設を計画している。
研究所はS造3096.14平方㍍で、このほかRC造一部S造76.25平方㍍の付属棟も建設する考え。2024年4月にも着工して、翌25年4月の完工および操業開始を目指していく。