ICT活用を推進 関東地整が制度説明会 若手育成で総合評価に加点(栃建協)

[2022/6/24 栃木版]

 県建設業協会(栃建協)は22日、宇都宮市内の県建設産業会館で国土交通省関東地方整備局による2022年度入札・契約、総合評価の実施方針等に関する説明会を開催した。会員各社から約40人が現地に参加したほか、オンラインで約60人が受講した。今回の説明会では、関東地整の企画部や営繕部の職員が講師となり、22年度の総合評価の実施方針などのほか、営繕工事での働き方改革の取り組み、ICT活用工事、週休2日工事の拡大、建設キャリアアップシステム(CCUS)活用モデル工事の運用方針について講義を行った。

 入札の総合評価について22年度は、評価項目配点の項目を変更。若手技術者活用促進へ、若手技術者活用評価型の配点を変更し、若手技術者の育成指導の評価項目を追加した。地域の担い手・守り手確保に向けては、自治体実績評価型配点の変更や評価項目の一部追加を行い、名称を自治体実績チャレンジ型に変更している。

 評価項目ではこのほか、政府調達の対象企業の賃上げを促進する目的で、賃上げを行う企業から優先的に調達を行うため評価点の加算点の項目に賃上げの実施に関する評価を追加している。

 都県・政令市発注工事の表彰については、評価対象期間を見直した。優良工事等表彰は審査基準日の月以前の1年間、優秀工事技術者表彰は4年間としている。難工事施工実績や難工事功労表彰等の評価期間も変更し、施工実績は審査基準日以前の4年間、表彰は過去4年間とした。

 一般競争入札の対象金額について、政府調達協定対象は対象金額を6億8000万円以上に見直した。自治体実績チャレンジ型については、災害協定の有無および災害活動実績の有無において、国の実績と都県・政令市の実績を同様に評価することとした。

 新年度実施方針の導入時期、工事成績、表彰関係の切替日は8月1日とし、工事実績に関する部分の切替日は4月1日とする。

 関東地整の22年度の重点的安全対策は[1]架空線等の損傷事故防止(対策:事前の現地調査および周知・指導の徹底、目印表示等の設置や必要に応じて保護カバー等の保安措置、適切な誘導、アーム・荷台は下げて移動)[2]建設機械等の稼働に関連した人身事故防止(対策:取扱説明書等の遵守、誘導員の配置、作業手順の周知徹底)[3]資機材の下敷きによる人身事故防止(対策:危険性の調査(リスクアセスメント)と調査結果に基づいた必要な措置の実施、飛来落下等の危険防止措置の徹底、保護帽着用の徹底)[4]足場・法面等からの墜落事故防止(対策:安全帯着用などの作業方法・手順の周知徹底、墜落防止設備の設置、安全に移動できる通路の確保)[5]地下埋設物の損傷事故の防止(対策:図面等の照会、試掘等による目視確認、目印標示等による埋設位置の明示)[6]第三者の負傷・第三者車両等に対する損害(対策:工津誘導員の適切な配置、交通関係法令を遵守して安全運転)[7]事故防止(対策:誘導員の合図や誘導方法は作業手順書等で明確に定める、建設機械のアームやダンプの荷台を下げた状態の確認方法の作業計画書に明記して周知徹底、建設機械や墜落防止用器具等の取扱説明書や作業手順書等のルールを周知徹底、交通誘導員の合図・誘導方法の周知徹底など)-を挙げている。

 関東地整の建設現場の遠隔臨場は、22年度6月からすべての工事を対象に本格的な実施に移行する。1億円以上の工事は原則発注者指定型で行い、1億円未満は立会頻度が多いなどの遠隔臨場の効果が期待できる案件で発注者指定型で実施。契約後に協議の上、発注者指定型で実施することも可能となっている。

 営繕工事の働き方改革で22年度からの取り組みとして、規模の大きい改修等工事は原則、発注者指定で週2日制を適用する。ICTの積極的な活用は、(仮称)BIM調整会議やEIR(試案)の施行を新たに行う。

 22年度のICT活用工事(土工等)について、対象工事は一般土木工事、アスファルト舗装工事、セメント・コンクリート舗装工事、法面処理工事、維持修繕工事を原則とする。発注者指定型と施工者希望I型は21年度と同様とし、施工者希望II型は予定価格3億円未満で土工量1000立方m以上5000立方m未満、または土工量1000立方m未満に範囲を拡大した。

 土工量1000立方m未満は、ICT活用工事を活用する場合、工事成績の加点評価や必要経費の変更計上が行われる。希望II型のICT土工で、小型MGバックホウ等の活用において▽ICT活用工事(2点加点)▽簡易型ICT活用工事(1点加点)▽小規模現場に対応したICTの活用(1点または2点加点)-の3タイプから選択するとしている。

 ICT施工普及に向けて、22年度は提出書類の簡素化やICT建設機械認定制度を導入する。認定を受けた機械は、書類作成の簡素化を可能としている。

 国交省直轄工事では、24年度からの週休2日確保を目指し、22年度も週休2日工事や週休2日交替制モデル工事を順次拡大する。

 建設キャリアアップシステム(CCUS)活用モデル工事の運用方針について、CCUS義務化モデル工事は発注者指定型とし、指標ごとの最低基準および目標基準の達成状況に応じて加点や原点を実施する。CCUS活用推奨モデル工事やCCUS活用工事(受注者希望方式)は受注者希望型とし、受注者がCCUS活用の取り組みを希望した場合に指標ごとの目標基準の達成状況に応じて加点を実施する。

 関東地整では、入札等の実施方針等について、ホームページにも掲載して詳細を説明している。

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