資材高騰の影響危惧 国動向注視し対応(県土整備常任委)
[2022/6/16 千葉版]
県議会の県土整備常任委員会が6月15日開かれ、藤崎茜浜線における鉄道跨線橋に関する工事請負契約締結議案など2議案について審議し、いずれも原案通り可決した。質疑では、資材価格高騰の影響について、国の動向などを注視しつつ、必要な対応をとる方針などが示された。
資材価格の高騰ついては、委員が、公共工事への影響について質問。「当初予算で計上した事業費が不足してくる可能性が高い」と危惧し、国との協議により国庫補助金を増額、補正予算で対応することが可能か尋ねた。
県土整備政策課は、建設業界から資材価格高騰ついての要望があり、国の動向や資材価格の影響を注視していることを説明。今後も、価格高騰が続くような場合には、必要に応じて国や関係部局と協議する考えを示した。
池口正晃部長は、「現段階で国からの情報はないものの、必要な対応をとらないと事業が全体的にスピードダウンする」と懸念。「現場の実情を説明しつつ、なんらかの対応ができるという話があった場合には、しっかり対応していきたい」と答えた。
委員からは再度、国に不足分を要望するなど、当初予定していた事業量を確実に実行できるよう求める発言があった。
このほか、質疑では、新たな湾岸道路の計画具体化に向けた取り組み、高速道路インターチェンジを生かした産業の受け皿づくり、労災保険への一人親方の加入状況、整備を進めている河川監視カメラの有効活用などについて質問があり、県の方針や取り組み状況などが説明された。
また、委員会の冒頭、池口部長は、一宮川流域の治水事業、千葉港千葉中央地区の埠頭再編、柏の葉公園への民活導入などについて報告した。
一宮川上流域や支川における河川整備については、国の補助制度である「浸水対策重点地域緊急事業」として新規採択された。今後は、事業中の中下流域に加え、上流域・支川も含め、流域全体で事業を進める。
県立都市公園への民間活力導入については、柏の葉公園を対象に、園内の緑や水辺をいかした飲食施設などの整備に向け、事業者の公募を開始した。富津公園と蓮沼海浜公園では、官民連携の整備に向け、将来イメージなどを検討、整備の基本的な考え方の策定を進める。
千葉港千葉中央地区複合一貫輸送ターミナルの整備事業では、国と着工式典を開催、埠頭再編の最初の施設整備となる出洲埠頭D岸壁の整備に着手した。今後は、国や地元市などと連携しながら、埠頭再編の早期実現を図る。
銚子連絡道路の匝瑳市~旭市間延長13kmについては、今年度から新たに事業化、測量などを実施する。
市川市と東京都江戸川区を結ぶ仮称・押切・湊橋については、東京都との共同事業として新規事業化、調査設計などを進める方針だ。